第62章 新たな邂逅
フィン「勝手に自滅したのだから、放っておけばいいのに」
ケイト「本人にそんなつもりはないのなら!放っておけない!!」
フィン「……つくづく…理解に苦しむよ。
君のそれで救われるのは、被害者ではない。
加害者だ。
加害者をわざわざ擁護して何になる?
散々彼等の都合で振り回されてきた被害者達の気持ちはどうなる?」
ケイト「それは…それで見捨てたら、きっと…地獄落ちのままだから!」
フィン「!」
ケイト「そうしたら…延々増え続ける!
煮え湯をただただ飲ませるだけじゃ、何でそんなことされてるのかもわからないままじゃ、いつまで経っても更正されない!」
フィン「言って悪いが…
彼等が努力を続けない可能性の方が圧倒的に高い。
君も知っているだろう?
元々努力を続けられる人ではない、長くできた試しなど一度だってない。
できる保証などあるのか?」
ケイト「ない!!」
フィン(即答か…)
ケイト「ないよ!
知ってるよ!!全部!
でも!それで見捨てられたら、もっとしない!!」
フィン「瞠目)!
やれやれ…決意は固いようだね」
ケイト「それだけじゃないよ」
フィン「?」
ケイト「これ以上被害者を増やさない為にも繋がる!
被害者と同じ思いをする人、0にはならないけれど、沢山減る!
金輪際考えないことがないぐらい頑張ることで減らせるか!
それとも、正規ルートの努力しない道で今後も気にせず、死んで地獄落ちするまで出し続けるだけか!
その瀬戸際なんだ!!
私が諦めれば、彼等は完全に孤立する!!!
そうなれば…その時点で終わりだ!
道は潰えてしまうだろう。誰も彼もが見放すだろう。
そんなの嫌だ!
未来の可能性まで、その全てまで…否定したくはない。諦めたくない。
そのつもりがない人を、地獄落ちなんてさせたくない!」涙
フィン「彼は…この世界以外では、逃げたり、諦めたり、努力からも責任からも逃れ、人へ押し付けてきた。
逆に必死に何とか地獄落ちから助けようとする君を傷付け、あまつさえ殺そうとした悪童だ。
…あちらの僕(恭弥)からも、よく見えている。
……それでも…全員が救われる道をひた走るか……
あの時…君が、君を殺そうとする革命賛成派の連中を、剣や石を投げ付けられ刺されながらも、一人残らず死に物狂いで救ったように……←43ページ参照