第62章 新たな邂逅
ティオナ「そんな未来まで見えていたのなら、最初から教えてくれたっていいのに」
ケイト「彼本人にも最終手段として教えたが無駄だった(きっぱり)
逆に脅しかって突っ撥ねられる上、嘘だ!と反発が増すばかりだったよ。
あれにはもう、何を言っても無駄だ。
いくら良い方へ持って行こうとしても、必ずできないと決め付けては喚く、お前が悪だからだと一方的な思い込みで攻撃する。
誰しも…今に至る言動には、数多の経験がある、積み重ねがある。
苦悩の末、苦渋の果てに取る人だっているだろう。
自分にとって敵だから、人では無いもののように扱っていい訳じゃない。
もののように、都合よく力だけ貸してくれと使っていい訳でもない。
それらを理解しようとしない、受け入れようともしなければ考えようともしない。
深い所まで…何も見ようとはしない、わかろうともしない。
そういう根本がどうにもならない限り、彼は延々入ることは叶わないだろう」
そう言う中、テレビがある情報を流していた。
巻き込まれた人の内…改札口へ入れない人もまた、結界が包み込んで守っていた。
逃げ遅れた人も同様に…国内に入れる入れないに差別せず、結界が包むことで護り抜いた。
そのことから…この日、結界の呼び名が「聖別の結界」(1934,2017ページ参照)から、『慈愛の結界』と変わった。
私の事の収め方も含め、宣言も込みで流されていた。
元々、大陸中の全人口からすれば半分以上が入れない為、利益が莫大に跳ね上がったそうだが…
そんなのはどうでもよかった。
寝た切りでも、重病人でも、重傷人でも、終末期患者でも楽しめる。
そのことが最重要だった!
家族と共に行けるし、ストレス発散にもなるし、気分転換にもなる!
機構はこうだ。
コクーン以外の各国に作った国外出張売り場、その中にある圧縮空間を増築。
入れる人数は無数。
いつでも入退場でき、購入は自由になっている。
混雑具合によっては順番待ちがあるが、身分を笠にきて先に回ろうと揉め事を起こせば最後尾に回されるので注意と、注意書きもある。
元々、建国と共に国外からの魔導列車を置く駅の横に併設された場…
入れない人用に作ったそれは「国外出張売り場」と呼ばれており、『バーチャルリアリティ』ではなく「バーチャル空間」での体験と購入ができるようにしていた。