第62章 新たな邂逅
行けない人も、幸せにしたい…堪能して欲しい。
その想いから作り出された、国外出張売り場。
それは…国内のそれには劣るものの、今までにない刺激と楽しさを与えたそうだ。
そのことに安堵しつつも、申し訳なさが尾を引いた。
実際に見ると聞くとでは大違いだと知っているから…
だが…それに何度でも、皆は語りかけてきた。
守ってくれてありがとうと、汚名を被ってでも守ろうとしてくれて嬉しいと。
素直に、私も嬉しくて…「ありがとう^^//」と、逆に礼を返してしまった。
それに…皆は、嬉しそうに笑みを浮かべてくれた。
それが見たかったのだと…
私が微笑んだのは、言うまでもない。
本当に楽しい時間が幕をあげたのは…この時からだったのかもしれない。
感情も、心も、様々なものが…一様に蘇ったのだから……
その上で…本当の意味で生きているのだと、感じれるようになったから。
そうして…何故か、不思議と…汚名を被せようとしてくる人は一人としていないまま過ごせていた。
ケイト「……その場にいると…錯覚させる、バーチャルリアリティを作ろうか」
ティオナ「へ?」
アスフィ「何ですか?それは」
リュー「まさか厄介事でも…;」
ケイト「違う違う!;
人工的に作られた空間で、現実のような体験ができる技術群や、それを与える機器だよ。
疑似的に体験させようってこと…
リアルでのそれと状況を繋げれば、本当にその場にいるって思わせられるし…
擦り抜けられるだろう人だけ感知されないように工夫をすれば…きっと、楽しめると思う。
今日からやる!すぐやる!!」
その後すぐ完成し…入れない人達から絶賛され続けることとなったのは言うまでもない。
その場にいないにも拘らず、その場に居させてもらうことを赦された。
実際にリンゴとかも買え、国内ではなく遠くの場に居ながらも様々な体験ができた。
これらの技術の推進により、家から動けない患者もまた…生活の質の向上へ大きく関与したことは言うまでもないだろう。
ケイト「よかった…(微笑)
これで…やっと、心置きなく…
安心して!楽しめるぞおおお!!」万歳&3人へ飛び付き
3人『!!?;』
どっぼぉーん!!!!
アスフィ「立ち泳ぎできないくせに何やってるんですか!;」
ケイト「ごめんなさい・・;」ぶくぶく