第9章 Lv.7
ケイト「…なるほど」
フィン「ただ、傷付けた点の把握に時間がかかることが難点かな。
でもわかりさえすれば繰り返そうとしない。
だから…君は悪くないと言えた。
言いたいことはなんとなくでもわかるかな?」
ケイト「うん。深い」こくこく
フィン「視野が狭まるのも仕方ないことだが、もう少し広く持てばいい。
相手はただ、自分の環境を知っているから自分だけは理解できている。
それでも理解していない人だからこそ、そういう風に思い込んで続けていられる。
悪い人だと言い張り続けるという行為はどういうことを招くか。
それは話す対象が理解者あれば同意がほとんど。受け流す人、自分で判断するという人も極々稀にいる。
彼女の行動で助けられたことのある人にとっては不信感を抱かれる可能性もまた無きにしも非ずだけどね。
でもそういうのは大概忘れられる傾向にある。悪いものばかりが目立つものだ。
どれだけ助けようとも無下に扱われる可能性はある。
そうされてもなお、君は決して同じように決めつけて傷付けようとはしなかった。
その行動から、考えれば悪い人間ではないと察せる人も中に入るだろう。
でも気付けない人がほとんど全てだと思う。行動で示していても伝わらないのが世の常だ。
だから…あまりそう背負い込むことはないんだよ」
ケイト「心配して助けた後、見返りを拒否したら
「嘘ですけど」だのなんだのと口を挟まれるのは?」
フィン「無視。相手にすることないよ(きっぱり)
それにしても…文字通り『嫌がらせ』しかされていなかったね。
あんなのまともに受け答えしてたら精神が先に潰れるよ?」
ケイト「潰れました。記憶も綺麗さっぱり消えました」きっぱり
フィン「うん…;
今度からは繰り返さないようにね?;
まあとにもかくにも、全員で口をそろえて言えば信憑性は増す。
彼等がやったことは謀らずとも、君『一人』を皆で追い詰めることだったというわけだ。
『そういうことをして一人が傷付き苦しみ続けてもなお、平気な面して笑って日常を堪能して送れる』という行動をしていることは棚に上げてね。
同じ理屈で言えば悪者になるはずだというのにそう言い張り続けられるのは、自分の行動がどういうものなのか考えず、見えてもいないからだろう。
果たして…本当にいい人だと言えるのはどちらなんだろうね?」苦笑