第62章 新たな邂逅
ケイト「人のせいにすれば、何かのせいにすれば、何でも許される訳ではない。
許されることになってしまえば、全員が危険な目に遭い続けるだけとなる。
そんな社会は――嫌だろう?」
『…はい』
ケイト「……済まないが、入れることはできない。
これは…この国の総意だ。
だが、入れぬ者達へ心痛を与えてしまったこと、心よりお詫び申し上げる(お辞儀)
こうすることしか、私にはできない。
違う一国の王でも、王族でも、貴族でも、平民でも、それだけは看過できない。
それに変わりはない。変える訳にもいかない。
お前達に守りたいものがあるように、私にも…守りものがあるから、通す訳にはいかない。
今まで…建国から、皆に守ってもらっている。
入国した者達にも、その決まりを、法を、守ってもらっている。
そのことで、国内での平和は保たれ、守られている。
それを…ただ一人の為に、特定の者達の為だけに覆す訳にはいかない。
済まないがひいてくれ。
既に国外でも、国内のものは出来うる限り買えるようにしてある。
楽しむのならば、そちらでお願いしたい。
無論、国外でも国内と同じぐらい楽しめるようにと努力は惜しんでいない。
個人が楽しむ為だけに、他へ悪意無く不安や迷惑を与えうる輩を、通す訳にはいかない。
重ね重ね済まない(お辞儀)
これ以上は…譲歩できない」
『……』
「ごめんなさい…
その…俺、そんなこと、知らなくって。
苦しめるとか、怖がらせる気は全然」
「何言ってんだ!
散々改札口にかかった結界をホームごと壊そうと躍起にやってやがったくせに!!」
「そうよ!子供達に当たったらどうする気だったの!!?」
「改札口から中へ入ろうとしていた俺達ごと壊す気だったのか?!
改札口に張ってた結界がホームにいた俺達まで包んでくれなかったら死んでたんだぞ!!?」
ブチ切れたように非難轟轟の言葉が次々に投げかけられた。
ケイト(はてさてどうしたものやら…;
まあ、そうなるのは目に見えてるよね;
片や通れない人の不満を見て周囲も顧みず結界が悪だと暴れ、もう一方は通れたことで意気揚々とした気分をしていたのに出鼻をくじかれた。
子供だからと何でも許せるはずが無いし…)
国賓「大変なことになりましたな…;」
ケイト「ええ…;
どう収拾を付けたものやら;」