第9章 Lv.7
皆との模擬戦が終わった後にしていた会話が以上だ。
それから後は晩御飯を食べてから、寝る前になるまで整理してて…
過去を受け止めた上で思ったことを、少しだけ打ち明けることにした。
ケイト「私ね…悔しかったんだ。苦しかった。
良心からの行動を、悪意からの行動だって言われたことが。
でも…言おうとしても出なくて、伝えようにもなくって…とっても辛かった」
フィン「うん。助けようとしていたから、余計にだろうね」
ケイト「でもそれ以外にも要因はあったみたいで、無視してたみたい。
集中すると耳に入らなくなるでしょ?私の場合はそれが顕著だったんだ。
環境故か、聞こえないようにしようって必死だった。
聞くだけで苦しかったし、痛かったし、哀しかったから。
それでも、知らなきゃどうにもできない。
教えても嘘つき呼ばわりされる。助けを求めても嬲られるだけ。
私は…生きてちゃいけないんだって思い込んでた。
一人きりだったから、余計にさ……そう思うしか、なかったんだ。
慰めてくれる人だって10歳まで一人としていなかったし
11歳の時に友達だって言ってくれた人は溜め込んでいた1万ヴァリスを見た途端に昔に金貸したって言ってくるし…
まあその時はお母さんが止めてくれたんだけどね、育ての」
フィン「なるほど。あの時の光景はそれでか」
ケイト「うん…そもそも、誰かと遊んだこともないし、誰かと買い物なんて……全然」俯
フィン「……整理はついたかな?」
ケイト「……うん。
悔やんでもどうしても、相手は性格悪い奴だって言ってくる。
たとえそれに経緯があっても知ろうとせず、そうやっていたぶる以外、何もしては来ない。
環境故の障害なんて『本当はないもの』だって決めつけて、余計に傷をえぐり続ける。
できないことに、その理由に、経緯に、一つも理解も示さない。都合の悪いことは全部無視。
自分の都合が悪くなる情報は全て無いことにしている。無かったことのように態度で示し続けてる。
…街の人達の誰もが、そういう人間だって解った。
そりゃそうだ…
目の前に見えるそれだけが、その人達にとっては全てなんだから。
目に映らないものなんて察そうともしない…悪い点は自分には一つもないって、一人残らず思ってる。
そういう人間が…多過ぎたというだけだって、整理がついた」