第9章 Lv.7

ケイト「え？どういう？」

フィン「『街の人のようなことができる人は、少なくともロキ・ファミリアには一人もいない』という意味だよ。

でも問題は隣の隣の人じゃなく、隣の人や周囲に居た人達かな。
周囲は難しくても隣にいたのなら聞こえていたはずだろうに」溜息

ケイト「…間違った答えを言ってたって思ってたのかな」

フィン「さあ？聞き間違いなんて誰にでもあることだし、そもそも誰もが完璧にはできないだろう。
度量がないだけか、ただ苦しむ顔が見たいか、苛立ちを発散したいだけか…

人の苦しむ様を見て喜ぶ人達は結構多い」

ケイト「う～ん；
自分が大事だと思ってる人だと思われたんじゃないんだろうか。
親切心からの行動をそういう風に捉えられるのが悔しかった。でもそれは最低な行動で？；」？？？

フィン「ケイト、彼等は苦しめたくてしているんだからそれこそ思う壺だよ？」
ケイト「え？そうなの？；」

フィン「彼等はただ当たり散らして、抵抗しないからそれを続けてるだけなんだよ。
かと言って抵抗すれば逆に強めてやり続ける可能性も極めて高い。
生意気だと思われることだってあるからね^^


だから君の行動は正解だし、正道とも言える。
相手の傷をそれ以上増やすまいと一人の道を選んだ。

不干渉の道を取ることで、相手はそれ以上傷付かないし、君起因のことで苦しまなくて済む。
でも問題は理解者が減ることだ。でもこれはいじめっ子達にとっては嬉しい情報だろう。

理解がない分、その自分の持つ意見に取り込むのが楽だし、同意させて共にいじめることだって容易くなる。
そして同意する仲間に気分を良くし、なおさらに苦しめ続ける。

君が取り続けていた善行もまた、その時点で全てなかったことに変えさせられる。
確かプリントを忘れた人達に貸したことがあるんだったよね？コピーしたものをあげる為に」

ケイト「あー…そう言えばあったような？」

フィン「ふふっ）ちゃんと過去の映像は一通り覚えたからね^^

他にもたくさん、助けになろうと取り続けてきた行動だって他にも多々あった。
それを見るだけでも、十分君の本質が優しいものだということは伝わってくる。

でも都合のいいように捻じ曲げられてしまうのが現実だ。
主張の強い者こそがありもせぬ本質を声高に持ち上げ、相手を尚更に苦しめ、あまつさえまかり通らせてしまう」