第61章 新たなる発展
ケイト「そうだよ…
殺しを背負った上で…現在にどう反映するか、どうやって生きていくか。償おうとするか。
そこが無いから、償いにもなり得ない。
キスされて途中から有耶無耶になってはいるけれど、殺しを自覚している。
その上で生きる姿勢、「生き方は変えずにそのまま」続けている。
そこが地獄落ちの点だよ」
アスフィ「なるほど…」
ケイト「九ノ瀬宙太に関しては、それほど悪くは思ってないよ。
沢田綱吉へ抱く程、悪感情が湧かない。
第一…宙太は、ちゃんと悩む。考える。その上で生き抜こうと頑張っているからね。
だから…天国行きの世界も無限の内半分とかなりある。
それも割り切れるぐらいだから。私の介入も無しで。
沢田綱吉は私の介入が無ければ全て地獄落ち。
天国行きは「私が風の守護者となり神へ至った世界」と「助けが一人も来ない状況下に5年置いて全員で教え込む世界」の2つのみ。
宙太だけは、沢田綱吉と川崎事件の主犯とは一線を画してるよ…その点さ」
ティオナ「なるほど…」
アスフィ「九ノ瀬宙太だけは別格ですね」
リュー「周囲から仕方ないと言われても殺したことを考えてましたし…
ただ、今に活かそうとまでに至れなかっただけ」
ケイト「うん…そこが分かれ目。
ものは、いつか壊れてしまう。
でも…命は、違うから。
私もまた…形見みたいなものだから、ちゃんと…そこには、思い出も…色んなものが沢山あるから。
あったからこそできた――それが……証なんじゃないのかな、何よりの…
うまく言えないんだけどさ^^;」
ぎゅううう←ケイトを抱き締める
ぼろぼろ←号泣
不意に零れてやまないのは何故だろう――?
その言葉を聞いて…自分一つの中に、重たい何かを感じた。
それまでの歴史、先祖達の全て…
それらを全て凝集して、たった一つの命として詰め込まれた……
そんな気すらした…
遠い遠い遥か昔…気が遠くなる程の昔から、ずっと受け継がれてきた。
何故彼女が縁もゆかりもないご先祖様を大好きだと、大切だと言うのか、何故大切にするのか、その重みを…ようやく理解できた気がした。
彼女は…人から言われずとも察していた。
歴史の積み重ねの内に産まれた、ほんの一つの命なのだということを。
そして…それは今生きている皆、死んでいる皆まで含め全てがそうなのだと……