第61章 新たなる発展
ティオナ「所で…宰相さんだよね?
何でここにいるの?」
事情説明中
ティオナ「会わせた方がいいんじゃない?
でないとお互いスッキリしないままだよ。
ぶつかり合わなきゃ伝わらないことだってあるんだからさ」
ケイト「いや、貴族や王族は面目丸潰れ、理不尽を受けた領民達はストレスの大元。
少なくとも…こなさせないようにはせずとも、干渉できないよう操作する必要だけはあるよ。
……人為的に与えられる理不尽ほど厄介なものはないんだからさ」
ティオナ「それもわかるけどさ…
でも…いつまでも尾を引いたままになるよ?」心配そう
ケイト「そうだな…
けど…消えることなんて、絶対にないんだ。
未だに、5000年経った今も…ずっと胸を焦がすんだ。
ジワリジワリと侵食していくように、消えない何かに飲まれるような…そんな感覚。
感じた感情は消えない。
でもそれは…何に怒るか、何を悪と感じるか、自分を知ることへの第一歩でもある。
消しちゃならないものであると同時に、穢されたくはないものでもあるんだ。
生きていく上で…異なる者同士であるが故に起こるもので、必ず避けられないことだ」
『……』
ティオナ「わかるん…だけど……;」俯←わかってはいるが納得は行かない
ケイト「……ティオナの言いたいことはわかるよ。
でも…和解できる相手と、そうでない相手。
宰相が話題にあげたのは確実に後者の位置づけにある立場同士だ。
立場を取っ払った上での、なんていうのは幻想でしかない…
早い話が、和解しろだなんて言った所で『押し付け』になってしまう。
国の顔、上層部、そういうレッテルを誇りに思う者、プライドが高い者もいるし…
平民からすれば、一方的に力任せにされた理不尽は到底無には…その経験がなかった頃へはどう在っても戻れない(眉間に皺を寄せる)←当時の抗うことすら発言すら許されなかった経験が蘇る
当人同士がお互い和解したい、モヤモヤを晴らしたいと思ってなければ
それは単なる独善的なもの、見ていて流せないからしてくれと言う…本人達が望まないもの。
思い遣りとは正反対なものとなってしまう。
……わかる?」
ティオナ「本人達が望めばいいんだね!」
ケイト「……(ゆっくり頷く)
けれど…神の力でわかるだろ?
あいつらがお互い望んでないことに」