第61章 新たなる発展
宰相「?」
ケイト「…
その痛みも、胸が張り裂ける苦しみも…いつしか喜びに、幸福に変わるのだということを。
いつしか――その不幸ごと誇れる、愛せる…
痛みも愛しいとすら想えるようになる。
その全部で自分なのだと、それごと愛する存在(フィン)に巡り会えて…
何度も、何度も…必死に護り抜こうとされて
死にたいと思い悩んだ時に掛けられた言葉で、それまでの言動で、態度で…救われた。教わった。
目先のものばかりではない。
自己否定ばかりの自分が、愛せるようになった。
フィンが愛してくれる『私』を、誇りに思えるようになった――
私も自ら…そう思えるまでに至れるとは思いもしなかった。
自分なんか嫌いだ、死んでしまえ。
自分の悪い面ばかり目の敵にして、そればかり責めて、至らない所を後悔して。
これから先…誰にだってある。何度だってある。
だと言うのに…見えていなかった。目を向ける余裕も無かった。
でなければ何でこんな目に遭っているんだって、自分を只管責めて繰り返させないようにする以外のことに目を向けられなかった。
す~…ふう~……(天を仰ぐ)
結局の所さ…
誰もがいい面悪い面があって、互いのそれぞれで相性が合って、合わなければ居辛くて、合えばずっと一緒にいて欲しい。
それごと受け容れて愛してくれる、見てくれる…そんな存在はどこにもいないんだって思い込んでた。
けど…そうでないことは、目の前の人達が証明してくれている。
ってわけで…今の自分に至れた。
だから…何度言っても足りないぐらいに思ってるよ。
ありがとうって…それごと愛しいとさえ……
凄惨な過去さえも…全部に対してさえも…丸ごとそう想えたことも奇跡みたいなものなんだけれどさ^^;」
アスフィ「いえ…」涙目
ケイト「?」首傾げ
アスフィ「いいえ…(首を横に振る)
あなたが自らの手で掴んだ…
諦めず貫き続けた、あなたの優しさが手繰り寄せた縁(結び)です」
ケイト「…(瞠目&驚愕)
なるほど…
確かにそうだね」
アスフィ「ええ…だから…誇って下さい。
迷わずに、これこそが自分なのだと…
あなたのまま、ありのままで…そのままでいいんですっ(ぽとっ)
そのままのあなたが…私を、助けてくれたから。
こんな存在もいるのだと…笑顔にさせてくれたから//」涙目&笑顔