第61章 新たなる発展
そして日付が変わった頃に溶けた分身は本体のもとへ記憶も共に戻り…
どちらも気付かぬ内に抱き締め合う力を強めていた。
ついでに言うと…アルとディも負けじと抱き締め続けていてくれたことが嬉しくもある。
そして時は戻り…
6月24日(冒険者92日目)
AM7:00
ザザーン…ザザーン…
ケイト「やり過ぎた…;」
キャー!
キャー!!
はしゃぐ女性達の声が領主邸の裏の沖エリアで響く中、私は一人呟いた。
アスフィ「お陰様で働き手を他国から取り入れる点は何とかなりそうです。
新規の領民に関しては、これまで通り不当に殺されるか死んだ後の救済処置のみとして受け入れていますが…
できるなら生きている内に領民として欲しいという難民も居ます。
どうしますか?」
ケイト「…逃亡された国との国際問題にも発展しかねない。
本当は断った方がいいんだろうが…
出来る限りの処置、衣食住の無料支給を施したい…
学び舎特等部へ寮制で行かせ、優秀な成績を残せば領民としよう」
アスフィ「わかりました」
宰相「あなたへの反発的な意見を持つ人物を入れないようにしていただけませんか?」
ケイト「?何だ?藪から棒に」眉顰め
宰相「あなたを嫌うか、下に見る貴族や王族の方がおりまして…;」
その者が言うには
「有能な者を引き抜きおって」
「たかるだけたかるしか能が無いのよ」
「いっそ育ててやった人件費として金を貰わねばならぬな!
でなければ割に合わん!^^」がっはっはっ!
「「それは名案だ!^^」」はっはっはっ!
領民は
「活かせる場も機会も作れず使い潰すしかなかったくせに何言ってんだ!
適材適所すらもなかっただろうが!!」
「いいように利用するだけ利用して、都合が悪くなったら切り捨てたじゃないか!
あらぬ罪をかけて殺そうとしたくせに!」
「死ぬ寸前まで合わない仕事を押し付けるだけだったじゃないか!!」
「「「ろくに引き出せなかったくせに!!」」」ぎゃーす!!←目くじら立ててる
と非難轟轟という有様で…
正論だけに何とも言えず…;
宰相「今まで辛酸や苦汁をなめさせられてきたが故にひけず
そして王や貴族も立場が故にひくにひけず…
あまり言いにくいのですが…最悪、国際問題にも発展しかねないかと;」
ケイト「…わかった;即刻入れないようにしよう;」