第61章 新たなる発展
どうにもできないのは、全世界上彼だけだった。
天国行きルートもほぼ皆無に等しい。無限の内、僅か2,3だけ。
というのも当然だろう…
自分の思うように動いて欲しいという一方通行。
本人にいくら説明したとして、実際に目に見せたとして、理解を受けたとして、本人に合いさえしなければ迷惑でしかない。
思うように動かしたいだけと取られたのも無理はない。
最初こそショックだったけど…←2331,2332ページ参照
どうにもならなかった…
自分のわがままでしかないというのも、当時に理解した。
テレパシーで当時の感情も諦めも失望も共有していた。
だからこそ…人に抱くこと自体をやめるしかなかった。
人前では長年の癖で、泣くことも、弱音を吐くことも、笑うことすらもできなかった。
父に見られれば殴られる、という条件反射からだろうか…
どうにも簡単には消えてはくれない。
でも…だからこそ、それすらも愛しいのだとフィンは言う。
いつしか…いつの間にか、そんな己ごと誇りに思うようになっていた。
フィンが惚れた自分なんだって、想えるようになった。自然と笑えるようにまでもなった。
私は私でいいんだ…それを知った、教えてくれた、ちゃんと見てくれた。
それだけでいい。何も要らない。
そう思わせてくれた。
だから――『ありがとう』
フィン「うん?」
気付けば、そう考えると共に口をついて出ていた。
ケイト「全部好き…愛してる。
あなたは…私の誇り、勇者様//」涙目&微笑
フィン「!(瞠目)
ふっ(涙目)
君は僕の英雄。
僕は君の英雄だ、未来永劫…永遠に…」微笑
涙を共に流しながら唇を交わし、互いを抱擁し、包容し…本体へと戻った。
わけなのだが…体験についての補足をしなければならない。
気圧と空気の薄さ体験なんてものがある理由についてだが…
コクーン内の気圧と空気の薄さは一人一人違う。
当人にとって、最適かつ過ごしやすいものとなるようにしているからだ。
その為、体験エリアでなければ変動させること=体験させることが出来ないようにされている。
重力体験も同様。
本人にとって過ごしやすくが第一。
強くなりたいと願うなら己にかかる重力が増えて鍛えれるよう手助けを、休む時もしっかりと休めるよう自動で合わせて補助するからだ。