第60章 穏やかな日常

彼は周囲を『使う』。
あるべき形は、信頼し『任せる』。

前者が利用、後者が信頼。


恭弥「寄り添い信頼するのではなく利用。
彼は元敵へ寄り添ったことも見ようとしたことすらも一度もない。僕にも…

君が、僕やザンザスや白蘭だけに教えたのもそれでなんだろう？
誰もいないから――」

ケイト「まあ…ね。


自由には、それなりの代償がある。

目先の欲と、未来の安定。
どちらを選ぶかは、その人次第だけれど…

アリとキリギリスのように堅実に生きるのが正しいと判断されがちだけど、本当の正解はきっと無い。
人それぞれの価値観で、見解で、変わってしまう。


あいつは目先の欲を選び、それによって沢山の罪を犯して…
罪に問われないこと、責められないことを当然として楽をし続けた。

自らと友人達のみにとっての平穏な日々を只管に享受して…周りに目を向けることなど一度もないまま、罪の重さを自覚することすらないまま、ずっと続けてきた。

で…今回やっと公務執行妨害罪と殺人未遂罪の現行犯で逮捕された」

恭弥「……」

ケイト「殺されたことに関してはどう考える？」

恭弥「知らないよ。あんな人間の末路なんて」ふいっ

ケイト「……そりゃ…考えたくもないよね。

どっちにしろ地獄落ちなのは確定事項だし；


もし何かから逃げたいと思っているなら、想像してみるといい。
逃げた先で得るものと失うもの、どちらを選ぶのか。

選ぶのは、自分自身だ。


あいつの場合、どう在っても地獄落ちへ繋がっちゃうわけなんだよなあ…；

どんだけ救おうとしても楽へ逃げて享楽したがるし、周りはそれ（そんな彼の言動全て）を何でも享受したがるし；」

恭弥「だからこそ公平な目をもって処断された。

彼は逃げた。
だが警察は逃がさなかった。

そして逮捕され、保護観察を経て殺された。


これで良かったと思うよ…」

ボンゴレファミリーの後継者はいなくなったかに見えた。


だが初代の祖先（曾祖母）の直系にあたる私が大空の属性を持っていることから選ばれてしまった。



死ぬ気の到達点を遥かに越えた状態にいつでもなれ、川平を瞬殺し倒したこと。
更に零地点突破も瞬く間もなく発動でき、ファーストエディションも同様にできるばかりか、初代や彼を遥かに超えた威力で出せる。

以上からリングを渡されたが、私は壊した。