第60章 穏やかな日常
ケイト「恭弥、どうする?」
恭弥「どうもしないよ。
並盛を害するものは、全員敵だ」
ケイト「…もし素直に出てってたら最初からこうはならなかった?」
恭弥「いずれにせよ、視察には来るはずだった。
あくまで僕がしたのは忠告程度。
それを無視した彼等の自己責任だろう?」
ケイト「なるほどね…はぁーあ;救われない;」
恭弥「救われたさ」
ケイト「え?」
恭弥「並盛町民がね」
再びテレビ
『「外に干してたものが、全部ダメになるんです
警察に問い合わせても中々発見できないらしくて、乾燥機で済ますようにしてますが…
布団の時が本当に大変で、この一年ほとんど干せませんでした。
干すにしても、外からかけられる砂ぼこり。
それを防ぐ為とか、皆で話し合って」
「やめてと叫んだけれど聞いてもくれないんです。
いつも無視、絶叫しながら走って」
「もののみごとに壊されましたよ。
弁償?
あったらこんな話してないよ」
『一度も謝罪、弁償、賠償行為は一切したことがないそうです』
「捕まるまでの一年間、娘が怖がって外に出れませんでした…
邪魔だー!って突き飛ばして、怪我をさせられた大人の人も沢山いるみたいで…
子供はあの人が走っている時は絶対出さないようにしないとって…
公園で見かけるんですけど
「あ、また走ってる!」
「見ちゃダメよ、あんな変質者!」
息子が指差して、何されるかわからないじゃないですか?
真似しちゃダメだっていうのにしようとするし…
何でダメなのか教えても、じゃあ何で捕まってないの?って疑問を感じるみたいだし
されたら嫌でしょ?って言って、なんとか止めました」
目撃者「「恥ずかしっ!」
で終わりで、あとはこそこそ帰るだけ。
被害者の面々には何もなし。
賠償もなく、振り返ることもなく、それを優しいと頑なに周囲は言い続ける…
どこの狂信者ですか?」
『悪質な洗脳を施し、周りにそう言わせて罪に問われるべき事柄をそうではないという空気を自ら作り出しているようにも考えられますが…』
並中生徒の母「(学校では)優しくて穏やかだそうですよ?
それが豹変して、周りも気にせず周囲への被害も省みず突っ走るんです。
ものも人も気にせずに。
普通に過ごしている人達を、心を踏みつけにするんです」』
ケイト「…なる;」