第60章 穏やかな日常
釈放させる為の署名を2人の女子が行っていた。
男子「嫌だよ。
国のものも人のものも壊して弁償しないで当然って顔してるんだろ?
学校では大人しかったけれど、そんな凶暴な奴また戻ってこられたら困るよ。
怖いし、何より安心して過ごせないじゃねえか」
「ツナさんはそういう人じゃありません!」
男子「そういう人じゃないって言うんなら監視カメラのそれは嘘だって言ってみろよ!
未来って何だよ…頭大丈夫か?
証拠もねえんだろ?
たとえ仮に助けられたって、何も嬉しくねえよ。
だって救われたとしても…単なるおまけだろ?俺達は。
そうやって恩を売って!
罪を償わなくて済む免罪符にしたいだけじゃねえか!!」
お婆さん「いい人ならば、大切な人を殺されても、罪に問われなくて正しいと…本当に言えるのかい?」
「でも!悪い人じゃないんです!!」
お婆さん「悪い人じゃなければ…何されても被害者は黙っていろと言うのかい?
たとえ殺されても…」
息子「お母さん、駄目だよ。
近頃の若者は指摘したら逆上して殴ってくる人だっているんだ。
たとえ正しいことでもそうしてくるんだから」
お婆さん「私が子供のころはねえ
息子「駄目だったら。
自分を大切にすると思って頼むよ!」
お婆さん「いやだいやだ。
加害者だと言うのに、いい人だからと被害者意識が抜けていない。
いい人なら何をやっても被害者はだんまりをしろと強要する」
息子「お母さん!
もういいんだ!!(ガシッ!)←両肩を掴む
お父さんはもう帰ってこない!
主張を強くした所で相手に上から被せられる!!
強気に出れば相手は押し黙るとばかりに――あの時のように!(涙目)
母「ああ…知っていますとも。
そうして…私の夫を殺した者を、無罪放免へ無理やりしようと強行した人達にそっくりだよ。
犯した者がしなければならない償いから解放させようとする行為…
あなた達がしているその行為は、そういうものだ。
だと言うのに…
それをおかしいとも思わなければ、疑問も感じない。
責める側がおかしいとばかりで犯した罪を罪とも思っていない…
日本は…一体これからどうなるんだい?」
杖をつく白髪の年老いた女性、彼女の言葉に…何を感じたのだろうか。
彼女等の両親からのビンタと叱責を経てようやくやめた。山本達もまた…