第60章 穏やかな日常
『ですが本人は「ごめんなさい。悪いことをしたと思ってます。けどリボーンが撃ったから」とリボーンという言葉を何度も言っています。
逮捕された当時の検査では薬物反応も無く、新種のドラッグを使用してのことだろうとの見解です。
そして精神鑑定の結果、責任能力もあり
善悪の区別、判断共にきちんとできている上での犯行だったことから『有罪』との判決が正式に下されました。
心神耗弱でないことから減刑もないとのことです。
それから、それまでの被害者の方々からの訴えもあり、地方裁判が執り行われ、弁償金を正式に請求されることとなります。
そして少年刑務所へ移送されました。
移送する当日、10代目を解放しろと大量の火薬を持ち込み
刑務所へイタリア国籍の外国人、友人らしき男子生徒が暴行罪を犯しながらも彼を脱獄させようと強行しようとしましたが、麻酔ガスで眠らせ逮捕しました。
イタリアから日本へ持ち込んでいたとのこと。
イタリア大統領は知らないらしく、テロ組織の一員の可能性が示唆されております』
山本「なあ、ツナを助けに行かないのか?」
恭弥「断る」
山本「守護者だろ?」
ケイト「…」
恭弥「僕はもう守護者じゃない。
無論、ケイトもね」
笹川「何?!」
恭弥「既に手続きは済ませてある。
ロールだけは、未来の僕のものだから渡さない。
9代目も許可したことだ」
山本「……ダチが、困ってるのにか?」真剣
恭弥「生憎だけど、僕は彼を友と思ったことはない。
君達もだ。
それに…彼にいいように利用されるだけが友かい?」
笹川「もういい!何も言わん!」
山本「あ!待てって」
ガラッ
ぴしゃん
閉じられた応接室の扉…
静寂の中、恭弥の言葉から思い当たることがあり…私は言葉を呟いた。
ケイト「確かに…私や恭弥が困ってた時…助けられたこと、一度も無かったな。
一年間…たったの、一度も」
恭弥「ああ」
ケイト「でも…それでもさ……助けたいんだ」
恭弥「知っているよ…君が、そういう人だということぐらいは」
ケイト「…助けた方が
恭弥「ダメだ」
ケイト「!何で
恭弥「君まで巻き込まれるよ?」
ケイト「……」ギリッ!
恭弥「彼が自分で蒔いた種だ…
小動物で責任を取らないとね。
散々――人や国へ尻拭いさせて金を絞り使わせ続けてきたのだから」