第60章 穏やかな日常
別れ際…あれには続きがある。
微笑みかけて頷きながら戦場へ去っていく時…←1913ページ参照
涙が止まらなかった。
旗色が悪いことを知っていたからこそ――嫌な予感が止まらず震えもまた止まらずにいた
男「約束する…
必ず、帰るから。
だから…そんなに泣くな」
女「…はい…(ぐしっ!)←頷きながら気丈に振るい涙を拭う
待っていますっ」ぐすっ←必死に涙を堪える
そう交わし合った指切り…
果たされた誓いに涙が止まらなくなった。
本当は…前世の内にこうしたかった。
再会したかった。
霊になってからではなく、魂もまた一緒に再会したかった。
魂同士の再会は、あの時自覚してようやく果たされた。
しかし――何度でも想う
ただ目が合うだけでも、おかえりと――
そしてケイトもまた――ただいまと
互いが帰る場所となり、愛しさをぶつけ合う場所となっていた。
だからこそなのか――1秒でも離れることが嫌で仕方がない
それだけでまた失うかもしれないと危機感が、言い知れようのない不安が押し寄せる。
前世で喪い、前々世でも喪い、先立たれた。
だからこそ何度でも想う。
死なせたくない、死んで欲しくない、ずっと縛り付けてでも縫い付けてでも生涯離れなければいいのに――と
それはケイトも思っていたようで…先に口に出された。
ケイト「一生離れられない呪いでもあればいいのに」ぐすっ
フィン「…ああ…僕も想うよ(微笑)
けれど…どうせ呪いなら、こちらの方がよくないかい?」涙
ケイト「?」涙&瞬き
フィン「…魂だけになっても、これから先どう変わっても…
君が、僕の生きる場所だと。
未来永劫、誓い続けよう。君の魂に^^」
ケイト「私も…誓うよ。
この誓いは何があっても果たすと――
前世では…苦労を掛けてごめん。
フィン(前世)「何を言いますか…」
ケイト「手柄を立てられないばかりに足軽のままで、代々の武家でありながら農民だと嘲笑われてっ;
それでも…それでも、私はっ……
あんな哀しみを、与えたくはなかった!
たとえ――誰(敵)であっても!!」←2242ページ参照
フィン/前世『いいんだ/ですよ、それで…(ケイトの左頬を右手で撫でる)
そんな君/あなただから、僕/私はあなたに惚れたのだから』微笑