第60章 穏やかな日常
毛づくろい…グルーミングは基本的に猫同士でやることが多いが、飼い主に対してする猫もいる。
猫が手や腕等を舐めることは飼い主への愛情表現であり、コミュニケーションをとろうとしているそうだ。
当時、僕もされることになり、そして家族の一員として認められる一環としてさせられた;
まあ…そのことに関しては悔いもないわけだが……;
もう少し早くに知りたかったのが本音だ;
以前、大便を出す場所にされるのを嫌がった理由←1271ページ参照
彼女が幼い頃にされていたのならば仕方のないことだとも言える…←2220,2228ページ参照
普通の反応と流してしまったこともまた、彼女のそれを重く捉えさせてしまったかもしれない。
その対比が、彼女の受けてきたそれが普通ではないとヒシヒシと痛感させることには違いはないのだから…
あの時、和解した後で前に進む為…流す為にもしたわけだが……←2227,2228ページ参照
してくる姿が見えないことからフラッシュバックを起こし掛け
当時のことが否が応にでも想起し、頭では僕だと理解していつつも不安と怯えが、止まらない震えと共に伝わってきた。
何度も何度も撫で、愛を囁き、唇を落とし…ようやく落ち着きを取り戻した。
今はもう、大丈夫なのだと――
その傷は深く、深く…果ての無い程に抉れてしまっている。
粉々になる程に、心も感情も…精神もが、傷付いている。
ちょっとした刺激で血が無数に出るほどに……
その上でも、彼女は前に進むと言った…
勇気を振り絞って、本当ならば泣き叫びたいだろう…狂いそうな程に叫びたいだろうに…
それをぐっとこらえ続けている。
ふとしたことで涙腺が切れて泣こうとも、叫ぼうとも…
全て所か、上澄みさえも出し切れていないのが実情――
少しずつ癒えていくにしても…
10年のそれがすぐ癒えるとはとても思えない。
ましてや、同じ年数を癒されながら過ごしてさえいない。
1500年終末神を浄化し無限の世界を回るだけで癒し等なかった。
父からされた虐待DV、それで荒れた母からされた精神的な虐待、学校でのいじめ
痛みが無数に日々刻み付けられた体の記憶までは消えはしない。
そもそもが…本来(リアル)ならば24歳に父母が離婚するまで、ずっと続いていたのだから。