第60章 穏やかな日常
ケイト「怯える自分が…未だ無くならない。
そりゃそうだ…
自分が、生きてきた証でもあるんだから……
生きていく為に、必要だったから…
それでも…今更必要じゃないって言われても…やっぱりぴんと来ない。
わかっている…
嫌なことをされるって思い込んでなきゃ、それ以上のことをされ続ける現実には勝てなかったことぐらい。
また悪夢でフラッシュバックを起こした時…耐えられないことぐらい。
そのお陰で耐えてこれた、精神上楽だった。
でもそれは…弱い自分だ。
なくても大丈夫だと優しく諭してくれる現実に背を向けて
必死にフラッシュバックに、悪夢に、再び牙をむくんじゃないかって現実に、ただただ恐怖して、怯える弱さだ。
その悪癖を、習慣を、払拭しなければならない。
立ち向かわないといけない。
超えなければいけない。
それができない限り…前には進めない!(ぎゅ)←拳を握り震える
わかってるんだ…頭では……
それでも、そんな単純な問題じゃないから…困ってる。
この世界は…自由で、自由ではない。
皆…何かに縛られている。
過去、傷、固定観念、価値観、心、感情、自己…
私も…雁字搦めに縛られてる←自嘲気味に笑う
私は…あの頃から……(すっ)←遠くを見つめる
少しは…前に進めているのかな」
フィン「……
進めているさ。
出会った頃に比べれば格段に――」
ケイト「ねえ…」
フィン「ん?」
ケイト「とっても…とっても、険しい道のりになると思う。
私の中では…やったことのない未知へ踏み出す愚行だって思ってる。
私で、それまでの私を壊す行為だから…余計に……
けれど…そう思われるのが失礼だってことさえ、気付けなかった。
一緒くたにされたくないってことにも気付けてなかった。←2349ページ参照
だから…――前に進むよ
私は…私も、冒険者だから。
頑張るから…支えてね。
現状では…怯える自分を、頑張って奮い立たせるのでやっとだから」涙&震
ぎゅっ←フィンの胸へ縋り顔を押し付ける
フィン「ああ…任せてくれ」微笑&ぽんっ←ケイトの脳天に手を置く
ケイト「ありがとう…私だけの勇者様;;」ぼろぼろ号泣
フィン「オーバーだなあ」くす
なでなで
いつものように頭を撫でると、やっと笑みを浮かべてくれた。