第60章 穏やかな日常
フィン「それで…個人の問題ではないのを承知の上で、君は選んだというわけかい?」
ケイト「……うん」頷
フィン「はああああっ
参ったな…
それを言われると、何も言えないじゃないか;」
ケイト「…ごめん;
自分一人だけの判断でというか、独断で話していい内容かと言われれば、そうじゃないから…;
ディオニュソスも反省して償ってるわけだし…規模も規模だけに赦してあげてとはとても言えないけれど…;」
フィン「そう言えるようになっただけでも十分成長したとも言えるかな?(くす)
強くなったよ、心身共に…きちんとはっきり言えるようになった」微笑
ケイト「!(瞠目)
そ…そう?//」おず
フィン「ああ^^
成長したよ…君は。
着実に、一歩ずつ…
歩みは小さいかもしれないが…以前と比べれば、奴隷のような振る舞いはしなくなったわけだしね」微笑
ケイト「…あの頃は……
人に合わさなかったら、ひどい目に遭わされるばかりだったし?;」
フィン「ああ。
でもできるようになった」
ケイト「!」
フィン「自分の意見をきちんと伝えることができるようになった。
オッタルを傷付けてでも倒し、帰ろうと奮闘できた。
ブランシェを助け出す為に始祖神の記憶に飲まれることも厭わずに走った。
穢れた精霊と一騎打ちをし、吸収して分離させると共に助け出した。
精霊王を生き返らせる為に是が非でも戦うことを選び、終末神を浄化してみせた。
僕を神へ導くばかりか、異世界の終末神の浄化の旅へ行くことを赦してくれた。
共に5000年もの時を過ごし、幾度となく愛してくれた。
…それは……確かな、君が得た財産だ」
ケイト「……でも…やっぱり、一番の財産はフィンと出会えたことだよ。
でなければ…気付きも、何も得られることは無かっただろうから……
だから…ありがとう^^」
フィン「こちらの台詞さ…
何度も、君は僕を救ってくれたからね」微笑
ケイト「…//
あ、デメテルがエニュオって話は嘘ではないんだよ?
本当のエニュオがディオニュソスの闇で、神酒を飲まされて闇を利用されてただけって言うか」
フィン「ああ。
その件に関しては十分わかったよ。
肝心のディオニュソスがオラリオに居たのも、神酒の酔いがさめた時にすぐこちらの動きを把握する為だろう。
抜け目ないね…本当に」