第60章 穏やかな日常
リボーン「おい…もう泣くな…」
泣き止むまで付き添ってくれた。
泣き止んだ後、すぐ見て回った。
リボーン「…おい?
……無限のそれを見て回るつもりか…馬鹿だな……
救うことしか、考えてねえ。
救われたくない人からすれば、迷惑にしかならねえのにな」
ズキンッ
その言葉に、不意に痛みが走った。
それでもなお…見て回り続けた。
あれもダメ、これもダメ、ダメダメダメダメダメダメダメダメ
無限に続く、地獄落ち回避の一切ない世界。
リボーン「…もう3日目なのに、まだ続けてんのか。
それも飲まず食わずで――
お前は十分頑張った。
周りも何とかしようとしたが、無理だった。
諦めろ…
ツナは、ああいう選択を取る奴だ。
お前の頑張りも、飲まず食わずでの懸命な証明も…全部あいつにとっちゃ都合が悪いものでしかねえ。
いずれにせよ、頑張ることからは逃げるんだ。
生死が関わらない内は必ずな。
相手の為と言っても、皆の為になるって言っても…
努力を嫌う。
ただあいつは…楽をしたいだけなんだ。
必要がない時分ならしたくねえってな。
勉強もしねえでいつもゲームに走ってるのが何よりの証拠だろ?
目先の楽に縋り付く奴なんだ、あいつの本質は…」
諦めろと言う諭しも、全部…無視して……
飲まず食わずで必死に探した。それこそ不眠不休で――
全てを見て回るのに、1週間かかった。
リボーン「ママンからの差し入れ、持ってきたぞ。
おい、食べろ。飲め!
さもないと死ぬぞ?
おい!おい!!」
5日目は雨の日で、あれから微動だにしないままの体は冷え切っていた。
せめてレオンを傘に変えて寄り添わせた…
どうやら毎日リボーンは通ってくれていたらしい。
リボーン「もう一週間になるぞ…
やっぱり…飲まず食わずか。
!
やっと無限の世界を回り終えたか。
!!また見ようとすんな!
食べろ!飲め!死んでいいのか!?
ダメだ、聞きやしねえ」
再び見て回るも…同じだった。
リボーン「雲雀すぐに来てくれ。
ああ、頼む」
雲雀「並盛で勝手に死ぬのは赦さない」
そうお姫様抱っこされたのを皮切りに、意識は途絶えた。
そうして…気付けば病室で入院していた。
脱水症状も起こしていたらしく、あと僅かでも遅れていれば死んでいたそうだ。