第60章 穏やかな日常
蜜にありつくだけあり付いておいて、それを支える側には決して立とうともしない。
だからこそ…彼は言った。
鬼「蜜を吸うだけ吸っておいて、それに感謝もしねえで努力も怠ってると…
地獄生き確定になるぞ?
まだグレーだから何とかなるかもしれねえが…胆に銘じて行動に移せよ?」
沢田「何言ってるんだ…?この人は」
だがしかし…努力を怠る点だけは、どう在っても覆りようが無かった。
そのツナがいる世界でのケイトと対面した時…
ケイト「殺される側の痛みは…わかったか?
それでも…繰り返さないようにしようとは、思わないのか?
未来のことで罪に問われないから、責める人がいないから……
今も、今後ずっと…修業をしないって決めたのか?」
沢田「何でそんなこと言われなきゃいけないんだよ。
わかった!
リボーンとグルなんだろ?
思い通りに動かしたいだけなんだろ?!」
ケイト「!(瞠目)
違う…私はただ…
見ているだけなのが忍びなくて、お前が地獄行きになるのが嫌で、勿体無くて」
沢田「あー!もう聞かない!
もう聞かないから!
これ以上惑わすな!」
ケイト「!!
(グレーが…黒に染まっていく。
今後何をしても地獄へ落ちる、確定の色に…
これ以上関われば、もっと取り返しのつかない純黒へ落ちてしまう…
これ以上は…地獄落ちの要因を、増やしてしまうだけ――?」
掛けられた言葉がこれらであった。
話し合った。全て伝えた。
その結果がこれである――
それに対してできたのは…
どう在っても覆らない未来を紙に記し、笑みを浮かべながら紙を手渡すしかできなかった。
ケイト「気が変わったら教えて?^^」←左目のみから涙を溢し
胸に突き刺さる激痛、それを抱えながらも辛い以外の心証が無いまま無理に笑う。
逆に自分の行為が地獄落ちを確実にしているそれを、噛み締めながら…
沢田「涙…?)
騙されるもんか!」頭を振る
その紙を手に訝し気な目を向けて彼は一人去っていった。
沢田(修業させたいだけに決まってる!
それよりも俺は…まったりのんびり平穏に過ごすんだ!)
彼が去っていった後
木の下で両膝を抱えて涙を泣きたいだけ落とした後でケイトは…
無限にもある異世界全てを能力で見て回り、地獄落ちから救われるそれを見出そうとしていた。