第60章 穏やかな日常
神が去った後、僕は尋ねた。
ケイト「……」
フィン「助けようとしたのかい?
縁もゆかりも思い入れもない人を」
ケイト「……だって…見過ごせなかったし?」
フィン「まったく…一言相談して欲しかったね(嘆息)
また同じ轍を踏む気かい?;」
ケイト「ごめん、なさい」俯
フィン「なるほど…ようやく合点がいったよ(片目瞑り)
神様が何に対して怒り降臨したか…
恐らく、君の思念が伝わっているんだろう?
その結果、得た失礼な心中の物言い。
十中八九、それに対してだろう。
思ったこと、考えたこと、感じたこと、それら全てもまた魂に刻まれ記憶され、神もまた見ている。
騙されるものかという心中での罰当たりな言動も、全て見えている。
だからこそ神は怒髪天をつくほどの怒りに駆られ、居ても立っても居られず降臨する。
激昂と共に…
傍から見れば神を味方につけているとも捉えられるし、媚びているとも言われるだろう。
だがそれは違うのを既に知っている。
胸を張ってあの世に帰りたい。
あの世に帰った時、堂々としていられる自分でいたい。
だからこそ、神はそれを好く。
純然たる想いで取り組んでるものに対してのあの勝手な物言いや言動は、全て神から嫌われるものでしかない。
至高を目指し、力になろうとする彼女と
それに対して卑下したり、媚びているだの検討違いな罵倒ばかりかける者
どちらの味方となるか、どちらを好くか、それは火を見るよりも明らかだ
だと言うのに、罪を罪とも認めず喚くだけ…
彼と同類、か…
傷付けていると認識も自覚もしていない辺り、特に似ているね。
彼が好きな人はそういう人ばかりなのだろうか…
不信感を抱くのは勝手だが…いくら抱こうとも事実は事実でしかない。
いきったり勝手な物言いをするのは勝手だが全て自己責任でという訳か。
罪としていずれは清算されるだろうが、それに気付けていない時点で償いようもない為、地獄落ちとなる。
……救いようがないね」
ケイト「いつものことでしょ?
そういう人は多いよ」
フィン「ああ…
だから気にしないようにしよう。
聞いた所で聞き入れない人の方が多い。
どう在ればいいか悩む人にだけに限定すべきだ」
ケイト「うん、わかった。
悪い点だってかなり多いしね、私」
フィン「どこら辺が?」凝視&瞠目&驚