第60章 穏やかな日常
ケイト「えっと…言葉がうまくない、語弊を招く、口が回らない?
フィン「誰でもあるから」
ケイト「言動がおかしい?普通じゃない
フィン「基準は皆違うから」
ケイト「環境だっておかしいし
フィン「それでも同じことを人にした試しがないだろう?
そもそもが親や環境は自分で選べないものだ」
ケイト「無視することだって
フィン「何かしら考え込んでいる時だろう?僕もあるよ」
ケイト「でも名前呼ばれたって
フィン「同じ名字が多い時だろう?名前まで呼ばずに解れという方が難しい。
何もなく察するのはただでさえ難しいんだ。君の持つ障害から見ても君には土台無理だ」
ケイト「不器用な所や苦手な所だってあるし!
フィン「得意不得意や得手不得手は誰でもあるだろう?
完璧を目指すのはいいことだけれど、支えさせて欲しい」
ケイト「何で全部論破していくのさああ!!
わあああん!;」
フィン「いい点ばかりで欠点はさほど見えないけれど?
少なくとも目立たない。
それを大袈裟に取り立てる気はないよ。流石に人殺しは見過ごせない大罪だけれどね。
彼女等は殺しを二度としなかった。
ベートは殺しはしたが、もう仲間が死ぬ所は見たくないと思い悩んでの末のそれだ。
感情任せのそれとは重みも覚悟も全く違う。
十字架を背負う覚悟を決めたそれとは、特にね。
まあ、それはそれで置いておくとして…
君の欠点なんて、人の中では誰しも持っているものに過ぎない。
大罪を犯したこともないし、生まれてきたことすら罪だと捉える有り様だ。
だからこそ…神は君を好くのだろう。
君の言動全てが、それを意図していなかったとしても…それもまた道理だ。
媚びず、めげず、それでもなお善行に走る、助けになれるのならなろうとする。
だからこそなんだ。
君もいい加減、自分を卑下するのをやめて欲しい」
ケイト「…結構下ネタに走っちゃう時もあるけれど?」ぐすん
フィン「小さい小さい。
君の為してきたことに比べれば、どんな欠点も軽いよ。
第一…君は、間違いを指摘された時に正当化に走らなかった。
素直に聞き、受け取り、きちんと向き合い、二度と繰り返させない為には…今後どうすればよいかばかり考えていただろう?
謝るからには二度と同じ過ちは繰り返したくはない。
そう言動で言わずとも示す君だから、僕も頑張ろうと思った」