第60章 穏やかな日常
ケイト「地獄落ちなどさせたくはないのならば…
縋ることすらも私の罪だ。
だから…頼るわけにはいかないと思った。
頼ることを嫌った、縋ることを憎んだ。
感情を表に出すこともやめた。
その生き方を決めたのは…選んだのは――齢10の時だ」
フィン「!!」
ケイト「人の抱える罪を意図せず増やしたのならば、私は戒めよう。
それが…私の、人へ頼るまいとする根幹の真相だ」
フィン「…」
ケイト「それでも…人は好きに言葉を紡ぐ…
それがいずれ、どう繋がるかも知らないまま……
だからこそ…そいつらは地獄に落ちる。
人の心の傷を深くする為に只管抉り続ける。
そういうことに生き甲斐を感じる悪魔。
そういう人種以外いないのだと、自ら関わってくる人達にはそういう人以外はいないのだと…
実体験を経て、何億回も知ったから。
だから彼等彼女等が地獄落ちになるのは、言わないでおこう。
そういう言葉を無責任に吐き散らかし、自らで自らの格を落としていることにも気付かない人達には…
殊更、侮辱としか受け取ろうともしないだろうから。
善意で言ったとしても、悪くしか見れないのだから。
彼(沢田綱吉)が好きな人もまた地獄落ちになる…
それは…罪を罪とも捉えられない人種、悪魔だからなのだろう。
心構え次第で変わるが、大抵は楽をしたいからと求める者に過ぎない。
だから私は…そいつ等に対して何もしない。
教えたくもない。
人の傷を抉って平気でいられる人間なんかが天国にいく姿なんて、見たくもないし…何より、改心するとも思えない。
いくら訴えかけようとも無駄だったから…
それまでの生き方を変える行為なのだから、人の心を見ようとすらもできないばかりか、知りもしないでそういう言葉を吐き掛けるような人間なんかに、まともな場所(天国)に行けること事態が在り得ない。
そもそもが許されない。
いくら、された本人が許そうとも――あの世の決まりが、神が赦してはくれない
それが罪であり、あの世の決まりに基づいた裁きだ。
だからこれは…どうしようもない現実に、見えるあの世に…未来に……
全てに絶望した末の、望み…希望……
それこそが、私自身の死なんだ」←2222ページ参照
それに対し…僕は抱き締めた。
決して癒えない傷だとしても、僕は共に居る…そう示す為――