第59章 承継人
ケイト「う~ん…
個人の主観や善悪の基準、好き嫌いの傾向は全て…些細な判断材料に過ぎないってことか。
いい悪いで単純に見れない、一概には言えない、裁けない…奥が深いなあ;」
フィン「決して下に見ているわけではなく、馬鹿にしているわけでもなく…
己以外の全ての視点から捉え
己の魂に刻まれた自らの感情の揺れ動きや言動まで、その全てを見ているということだね」
ケイト「そう!それ!
神様は…優しいけれど……誰よりも怖くて厳しいからなあ;
この人ダメって思ったらズバンだもん!;」
フィン「…それは…死ぬ?;」汗
ケイト「死ぬ;(頷)
あまりに悪質な人は、天国にも神様からも見放されて拒絶される;
ダメってなったその瞬間から阿鼻叫喚の地獄へ真っ逆さま!;」真っ青&ぞおおっ!←自らを両腕で抱き締め身震い
草原の上で腰掛けたまま、風が囁く中…面と向かい合って双眸を見据えつつ伝えた。
最後の一言の後、一人身震いする私に対し…
フィンは静かに隣へ寄り添い、震える私の背を優しく何度も大丈夫だと言うかのように震えが止まるまでさすり続けてくれた。
犯してはならない最低限度のものが、七つの大罪だとして…
考えられる対策はこんな感じかな?
傲慢:この世の全てを決して蔑ろにせず、感謝を忘れてはいけない。
憤怒:怒りに乗っ取られて殺人や傷害、ひどい言動を取らないよう頑張る。
たとえ取ったとしても、再発しないよう頑張り続ける。
嫉妬:相手を羨むあまり貶めたり殺人や危害を加えないよう頑張ろう。
怠惰:努力を怠ってはならない。
信念を抱きつつ、できる所は取り入れて、常に上を目指さなくては。
強欲:強欲のままに殺人や窃盗を犯したりしないよう気を付けよう。
暴食:あって当然だと思わず、感謝して食べよう。食べ過ぎない程度に。
色欲:…うん、フィンだけにしよう。営みは。
考え得るそれらを伝えると
フィン「うん、それでいいと思うよ」微笑
と、優しく笑い掛けられた。
神様からも、「それでいい」と伝えられた…
愛し気な眼差しまでもが薄っすらと伝わってくる。
この世に居させていただいていること、経験を積ませてもらっていること、試練を与えてくれていること…
それらは全て神様からの愛ということを、見ているだけの理由も、その意味も…しっかりと噛み締めた。