第59章 承継人
川平のおじさんは、あの時と同様に調和であり続けるようにしたおしゃぶりを前に…安堵の息を零した。
川平「問題もない……
これで…やっと一息付ける」ふうっ
そう言って、どこか遠くを見つめながら感慨深げに溜息を零していた。
それは冥福の祈りか、はたまた疲れたという意味か…
よくはわからないけれど…悪いことではないのはわかった。
悪いことならば、きっと襲ってこられるはずだから…
無理に聞くのもなんだし…深く聞かずに、そっとしておいた。
そして復讐者(ヴィンディチェ)が現れ、守護する役割を担う気でいるらしい。
「寿命を超え、ずっと生きていける第8の炎、夜の炎を持っているから」と…
骸を捕まえに来たイエーガー、そのボスのバミューダを筆頭に、復讐者としての動きは決まったそうだ。
その日、アルコバレーノまで教師になるという事態が恭弥によって認可された。
しかも…戦うこと前提。
ケイト「もう少しは躊躇って!!?;
ヴァリアーの時もだけど!;」
ついでに言うと、ヴァリアーを教師として受け入れる際の条件もまた戦うことだ;
・白蘭の場合
テロップ『そもそもが未来編も始まらなかった』
マーレリングに選ばれたのは、僕ではなくケイトちゃんだった。
だと言うのに、僕へ向けてケイトちゃんはマーレリングを渡しに来た。
雲雀君が強引についてきながら…
ケイト「平行世界が見えてる時点で、何かしら利用されるだろ?
身を守る力を得る為には必要なことだ」
白蘭「もしそれで…君を殺そうとしたら…どうする?」
ケイト「………殺せよ」
白蘭&雲雀『!!!』
ケイト「私を殺してでも、お前は生きろ」真剣
自分の生を望んでくれるとは、思ってもみなかった………
異世界の記憶を覗き見た所…
どの異世界でも…ケイトちゃんは、僕や皆の命を最優先していた。
白蘭「……本気なんだね…」
それだけでなく…
殺そうとする異世界に行った所、本当に自ら殺されようとした。
抵抗も一切なく…
だからこそ…すぐにわかった。
自分の命を、軽く見過ぎている。
ケイト「ああ…本気だ」
そんなに…自分の生を望んでくれる人は、これまでいなかった。
だからこそ…
何か、胸に温かなものが込み上げ…涙が不思議と滲み出た。