第59章 承継人
リボーン「俺は…お前に救われた。
呪いから、本来ならばああなるのを待つしかなかった運命から。
呪いを解かれて、復讐者になることはなくなった。
これはすげぇことなんだぞ?
世界が産まれてから、一度たりとも止まることを知らなかったそれが止まったんだ。
俺は、お前のお陰で復讐者にならなくて済んだんだ」
ケイト「でも…それは…浄化の性質のお陰で気付けたことでっ
呪いと浄化って対極の位置にあるから」
リボーン「ああ。
お前の発想がなければ無理だったろうな。
浄化を一部分だけに集中して一つの部位だけ呪いを解き、それを連鎖的に伝搬させてゆくように呪いにかかる前の状態に戻すなんて…普通ならできない発想だ。
ましてや、その変換を体で覚えて任意のものだけを選んで増加させるなんてことはな。
そしてそれは…時間を戻したかのような『復元』の域に達している。
骸の手術のを戻す提案も、浄化で本来あるべき姿に戻した上で行うつもりだったんだろ?」
ケイト「うん」
リボーン「とんだお人好しだな」
ケイト「どう思われてもいい…そうしたいから、それで…心の傷からも、守りたかったから」
リボーン「ああ…よく知ってるぞ。
お前は…自分を守ることとなると、てんでダメダメだからな…」ふっ
ケイト「だって…お母さん以外では、いなくって。
自分が幸せになっても、誰も喜ばないから。
嫌がらせしかない、悪く取られることしかない。
死にたかった…消えたかった…
でもそうしたら…お母さんが哀しむから、私のために毎日頑張ってくれてるのに、裏切りたくないから
大事だから…」ぽろぽろ
リボーン「…ああ…知ってる。
ビアンキ達はどうだ?」
ケイト「うん…大事にしてくれるよ?(ぐしっ)←左腕で涙を拭う
でも…あまりにも、そういう期間が長かったから…
自分を大事にしないでいいって時間も、長過ぎたから
リボーンと出会ってから…色んな人と出会って、大事にされて…優しくされて……
とても恵まれてて、あまりに落差が激しくて…」ぐすっ
リボーン「ああ…」
ケイト「やっと…少しは…前を、向けるようになった。
考える暇もなかったからさ、そんなこと。
リボーンや、皆といる間は…」
リボーン「ああ、よく知ってるぞ…
ちゃんと、見てきたからな」にっ