第59章 承継人
フィン「もしどうしても気にかかるのなら…」
ケイト「大丈夫…
来世でのご多幸をお祈りしてます」合掌
フィン「ああ…」頷
三時間もの時を有した話し合いは、こうして決着がついた――
前に進むそれとなったなら何よりだ…
辛うじて…なんとか…
いや、僕達がいたからこそ導き出せた結論か……
フィン「よかった」微笑
後に…そのケイトの姿勢は、「先導者」、「先駆者」と評された。
・神への最後の質問
ケイト「最後の質問!
どうして私を地獄に落とさないんですか!?(挙手)
あっちの私、手段選ばなかったのに!」
『見返りを求めず、人にあれだけ尽くす人を地獄に落とせと?』
ケイト「うっ…(たじっ)
で、でも…彼にしか出来ないことだってあるし。
彼にだってそういう所は…」
『ありますか?
あると…言えますか?』
ケイト「?…(怒ってる?;」
『苦しみや悩みを抱えた者に対し、その苦しみや悩みを理解しようとしたことがありますか?』
ケイト「ぐさっ!)
えっと…;」
『自ら聞いたことはありますか?』
ケイト「ぐさっ!)
ない、けれど…」
『抱えた者が自ら語るのならば聞くでしょう。
だとして親身になって乗り越える為、自ら手助けをしたことは?』
ぐさっ!←ケイトの心に突き刺さる、以下同文
『自らの時間を犠牲にしてまで人に尽くしたことは?守ったことは?』
ぐさっ!
『人との時間よりも、自分の時間を大事にしているでしょう?』
ぐさっ!
『人の心の傷へ寄り添い、支え、愛したことは?』
ぐさっ!
『敵も生きています、それに同様に接したことは?救ったことは?』
ぐさっ!
『追い詰められた末の敵の言動に暴力でねじ伏せただけでしょう?』
ぐさっ!
『心に寄り添わず、理解しようともせず…
自分の為、周囲の為と都合のいい大義を打ち立て、敵へ泣き面に蜂の目に遭わせる。
敵ならば、と二極化し差別したことに罪の意識を抱いたことは?』
ぐさっ!
『彼が地獄に落ちるのは当然のことです』
ぐさっ!
『そして…人のことでこれほど心を痛め尽くすことができるあなたが天国へ行くことも然り…
彼の場合、人に残り全ての時間を尽くしてようやくプラマイゼロです。
立つ場所が違うのです。人として為していることも…
真の優しさとは…あんなものにはないです』きっぱり