第59章 承継人
ケイト「うん…それが、地獄落ちの最大の理由。
その罪と向き合うことを最後まで邪魔し続け、只管に擁護して
問題を問題と捉えさせないように、疑問も感じることはないとした周囲も…また…大罪を犯したものとして処罰された。
知っていながら…彼が犯した人殺しには何の罪もないと捉え、それを最期の最期まで誘導し続けた罪を……」
フィン「…そうだね…
問題と捉えていない時点で、同じ感性を有していたんだろうね」
ケイト「ちゃんと最後まで見送ってから、別の世界へ行ったよ。
やるだけ損になると言うか…
けど彼は「あの人、悪い人じゃないと思うけど」って呟いてはいたし…
でも肝心の言動が直ってないし、地獄落ちの要因である私が挙げた悪い点は改善されないし…
周囲も周囲で持ち上げて守って、問題も指摘しないし認識してないし、変わることへの妨害ばかりしてるし…
変化しないままでいいって周囲に甘えて、結果として問題を先伸ばしにして…
周りも纏めて地獄落ち…;
彼の母親は人に尽くすタイプだし、傷付けるようなことを意図してしないから…
その人だけ天国行きだけど。
う~!;」もんもん←頭抱え
椿「人が犯す殺しには散々文句を言うだけ言っておいて自分のそれは全て棚上げという点も気に食わん」
アイシャ「14歳だからと言って、殺しが全て正当化されるわけじゃないだろう?
背負わなくていい責任だと言われようが、自らの手で犯したそれは決して消えない。
どう背負うか、どう向き合うかで、
その者の器、ひいては人となりが決まると、私は思うよ。
殺しと言っても内容にもよるだろうが…それも考えてなさそうだね」嘆息
椿「…聞かせてやりたいな、その台詞は」
ケイト「聞かせても地獄落ちだったよ(嘆息)
だから…いい加減に嫌気がさした。
罵倒されるだけだし、1つだけしか救えないし…」
フィン「立派な成果じゃないか。全滅よりは余程いい」ぽんぽんっ
後ろ頭に手を二度当て、撫で回した。
だが…まだ、全てに納得がいっていないようにも見えた。
まあ、根が善人だけに天国行きでないことも受け入れられないのだろう。