第59章 承継人

さて…もう少し引き延ばして、その問題点を浮き彫りにしよう。


そうでなければ…きっと……いつまでもその罪の意識は付いて回ることだろうからね。



ケイト「呑気と言うか…
白蘭への怒り任せの殺しを止めた世界でないと、地獄落ちを回避できなかったんだよね…

その当時、彼は私を勘違いから苛めてたこともあってか、立場も弱かったし
そういう時でもない限りはまともに取り合ってくれないし、高めようという努力もなかった。

その結果が…私が改心させた世界以外の地獄落ち。
それも「人殺しの罪を理解する行為」の阻害という罪で彼の周囲も纏めてだし…


どれほど進言しようが、「知りもしないのに言わないで下さい」の一点張り。
ハルを筆頭に周囲が一丸となって立ち向かい続ける。

妨害ばかりする上、悪いようにしか受け取らない。
あの世が見えない人からすれば、ただの空言のように聞こえるんだろうなあ；


何度言っても…ダメだった。

自分は間違ってない、全部正しいって思い込んでる。
それもやることなすこと全部…

無限大に手を尽くして…救えたのがたった一つ…


手段選んでなかったのに救えないって…

しかも何で私地獄に落ちないんだよ！
そこだけ納得がいかない！；」ばんっ！←机叩く

フィン「ちゃんと罪の意識もあるし、ごめんなさいと念も込めて今後の言動全てで償い続けているし、結局は思い悩んでのそれだからね…
きちんとそこも考慮されているんだよ」

椿「たったの一人でも守れたのなら凄いと思うが？
無限大の中でも諦めずに頑張った証だろう？」

ケイト「よし、もうやめよう！
実のならない話だ」

椿「手前らにとっては十分実になったが？
そういう輩のおるのだと学びにもなった。

もっとひどい輩はおるが、意見をころころ変えるのだけは頂けんし気に食わん」

アイシャ「…そもそもが…
どうしてそれほど必死になっているのかに着眼しない時点で器の底が見えてるね。

何かしら理由なく傷付ける輩はいるが、そうでないことは一目瞭然だろうに…」


フィン「人の尊厳を、生を、踏みにじった所で何も感じない輩は…

奪われた経験も無いものか、他人を踏みにじる側へ自然と経つ人間、
踏みにじられ続けた経験が無い奴、人の感情や心など眼中にない自分だけを大事にする人だけだ。

怒り任せの殺しには、大義もくそも無いよ」