第59章 承継人
ケイト「うん…よく知ってるよ。
だから…必死に、そうさせたかった。
彼の道の先には、地獄しか待ってなかったから」
フィン「決して拭いされない十字架を背負い続けなければいけない、この手で人の命を奪った時点から―
感情任せの殺しは――罪深さで言えば最高クラスだ
動物でもしない。
あの世界そのものが狂っているんだ。
都合よく、理想だけを詰め込んだ異物にすぎない。
それも、他を決して含めない…「彼や周囲」という一方だけにとっての――!
何を間違いとするかは、本人の基準や価値観で変わるから…
その基準とそれが…個であるが故ならば、早々無理だろう。
もしも、君の在り方は間違っていると言われた所で、当人にとっては邪魔にしか過ぎないしやり辛いと感じるだけ。
結局は何の意味もないし、学ぶ上において恵みにもならない。
やるだけ無意味な努力ほど、空虚なものはない」
ケイト「でも…やるだけやったから、全ての手を尽くしたから…
たった一つでも…救えたそれはあったから…悔いはないよ」微笑
フィン「!!(瞠目)
……(哀し気な表情を浮かべ目を細める)
君は…どれ程打ちのめされても、その当人たちの為を想うんだね…」嘆息&困り顔
ケイト「だって…どれ程の善行を積もうが…
殺しを背負わず償おうともしてない時点で、地獄落ちは確定事項なんだよ?
ならないだけよかったじゃない」
フィン「………(嘆息)
普通なら怨むものだ、わかるね?」
ケイト「やだ!
わかんない!」
フィン「……;」
ケイト「自分の行動を、言動を人のせいにしたくはない。
第一、自分の身体を動かしているのは自分だ!
声も、動きも、表現も…全てで自分なんだ!
やるだけやったんなら…後は、これが自分だって示すだけだ!!」えっへん!←両手を腰に当て
フィン「ああ…そうだね^^」くす
唯一、ケイトの問題は…他人の罪まで、背負おうとする点だ。
地獄落ちを必死に回避させようというのは…
何もせずに見ているだけ、できることをやっていない時に生じる呵責に…罪を犯している痛みに耐えられないからに他ならない。