第59章 承継人
個人の最善ではなく、最高でもない…
必ず、誰しもに限界はある。
いくら頑張ったとしても、辿り着けない所はある。
その限界は…人によって異なる。
死んだものを生き返らす、発想の転換でありとあらゆる極致を打開する、奇抜な発想で裏をかいてウルトラシーを決めるなど…
ケイトの場合…
それまでにない、歴史上誰しもが類を見ない最高…すなわち『頂点』にあたる。
死者を生き返らし、見返りを求めず、助け、支え、護り抜こうとする。
夢のような物語――それを実現し続けた、身をもって体現し続けた
謙虚な姿勢のまま、決して揺るがない信念をもって全てを叶えた。
前世でも…戦国の世で、敵の人命まで守ろうと奮闘していた。
好戦的なものの場合はやらねばやられる為、味方を止めることもできず助けられはしなかったが…
立身出世よりも、殺すことで得るだろう哀しみや憎しみを増やしたくはないという理由で断固として殺しをせず、最期の最期まで貫き続け…味方を護る為に殿(しんがり)を引き受け、敵に殺されて死んでいった。
決して殺さない態度により仲間から侮蔑の言葉を受けても、石を投げ付けられても、それを貫き続けた。
縁側
「私のやっていることは…間違いなのか?
だが…それでも……
(父上の躯の前で泣き崩れる光景(成人したばかりの頃)
母上の躯の前で涙を浮かべる光景(結婚前の頃)が浮かぶ)
それでも…ああすることが、私には出来ない――
それによって得るものが何なのか、わかっているからこそ…できない。
それが間違いなのか…私そのものが……おかしいのだろうか?もう…わからない」俯き←左手と右手を床へ置いたまま地面を見つめる
「大丈夫です…(すっ)←左手の上へ右手を重ねる
たとえ全てを敵に回したとしても…私は、あなたと共に居ます。
あなたのお陰で、私は…私でありえたのですから^^」
「!」瞠目
「私は…そんなあなたと一緒になれて幸せです。
お慕い申しております…」
「なあ…」嬉し涙
そのまま押し倒され、布団へ運ばれ行為へ突入したが…悔いはない。
『少しは…自分を大切に出来るようになるだろうか……』
当時の前世の僕(女性)が泣き崩れる様を見てそう思ったらしい。
ケイトの前世の霊がケイトの主護霊になったのも、それが少なからず影響しているのだろう。