第9章 Lv.7
ここが君の帰ってくる居場所だ。
よく頑張った…帰ってきた。
決して、楽な戦いではなかっただろう。
ありがとう。よく、帰ってきてくれた。
そう想いながら、ケイトを抱き上げてから頭を撫でた。
するとその想いが通じたかのように、少し笑みを浮かべた。
ケイト『護ってくれる人が欲しかった。
今、目の前にいる。駆け付けてくれる皆がいる。
護ってくれる人がいる。
欲しくて仕方なかった人が、ここにいる。
だから…私も護りたい。ちゃんと、今度こそは…
私は、素敵な大人になりたかった。
素敵な大人になって、自分を救いたかった。
あの痛みも傷も全部、目の前の苦しみでさえも無駄じゃなかったと…
そう言って、過去の小さな自分の頭を撫でてやりたかった。
そんな大人になりたいと思っていた』
ケイトのその言葉に『十分なれている』と僕が伝えると、困惑した顔を見せたっけ…
でもその後で、嬉しそうにはしゃぐかのように笑っていた。
それにつられて、僕も不思議と楽しいと…嬉しくも感じた。
こんな些細なやり取りができる時間がもっと延びればと…強く思ったんだ。
だから…前のように一週間も寝入ることにならないよう、僕は枕元で祈った。