第58章 堕天
フィン「言っただろう…?
君を守りたいと、君の神様に…君の英雄になりたい、と。←2193,1861,2168ページ参照
君を護る為に、結婚したいと――←183ページ参照
聞かれなくても…最初から、結婚を申し込んだあの時から…そのつもりだ」ぎゅう
笑みを浮かべながら、そう諭しながら抱き締めると…
涙を零したまま、今度は…震えながら、声をつっかえらせながらも尋ねてきた。
ケイト「信じても……いい…の?」
フィン「当たり前だ…
とうに、覚悟はできている。
何を賭してでも…何を犠牲にしてでも、護り抜くと」
ケイト「っ……(じわっ)
……っく
…ぅっ
ぅぅぅぅぅぅ;;」ぼろぼろ
なでなで←ケイトの後ろ頭を撫でる
声を殺しながら…嗚咽を上げながら涙を流す。
7歳の頃からの蓋を壊し、咽び泣く。
その壊すという行為でも…人の助けを借りなければできない。
それほどのことを、周りからされ続けてきた。
だからこそ…その手助けをしたいからこそ、傍に寄り添い続けることを選んだ。
過ぎた時間は戻らない…
過去は決して変わらない…その痛みも、傷も、狂ったそれまでも……
それを引き戻そうとする相手がいなければ…
自らでさえも諦めてしまえば、狂ったままになる……
昔のように…蓋をすることが当たり前になってしまう………
フィン「たとえ…君がどれほど狂おうが…必ず引き戻す。
僕が錨になる…←1224ページ参照
だから…――君がいなくなることはない。
僕がさせない。赦さない。
死ぬことは、絶対に許さない。
前世や前々世のように、死なせはしない。
一人で死なせたりはしない。先に死なせたりもしない。後で死なせたりもしない。
…――生きろ!!
死に場所など、死に方など…決して与えはしない!
それごと全て護り抜いてみせる!
だから――
独りだと思うな、決め付けるな!!
頼れ!縋れ!!!
どれほどみっともなくてもいい。それごと愛する!
だから…気兼ねせずに精神を自由に解放しろ!!
忍耐が強過ぎるとしても限度がある」ぽつり
ケイト「ぐすっ…ひっ……がん…ばる」ぐすっ
フィン「……(ほっ)
頼むから…死のうだなんて思わないでくれ」苦悶の表情←頭を撫でる
縋るような声で呟いた…心配だと…