第58章 堕天
フィン「…要するに。何が言いたいかと言うと…
君の生みの父と同じことは、絶対にしない。
大丈夫だ…
前に言ったように…誰にもさせない」真剣←1217~1225ページ参照
ケイト「…………
ねえ…」
フィン「…ん?」
ケイト「私はさ…男なんかは信頼したくないよ」
フィン「……?
どういう?」
ケイト「……生みの父にさ…」
フィン「うん」
ケイト「性的虐待を受けていたって言ったら…嫌いになる?」
フィン「!!?;(瞠目)
え…それは…
いや、だが処女だったはず…」ぶつぶつ←顎に手を当て考え込む
ケイト「いや、そっちじゃなくって;
その…されたのは……
子を出す方じゃなく…その…尻の方で;」
フィン「……あ…ああ、そういう!
…済まない…言わせてしまって…」
ケイト「……小さい時…微かにだけど、まだ覚えてるんだ。
階段を上る途中で…どちらからも死角になる所で…
急にパンツごとズボンを下ろされて、腰の両側を持たれて…動けなくさせられた。
何か熱いものが尻の方に刺されて…何度も貫かれて…
「やめて!助けて!」って叫ぼうが、誰にも聞こえないタイミングだったみたいで…
いくら泣き叫んでもやめてくれなくて…必死に手すりを掴んで暴れたけれども大人の力には勝てなくて…
それから程なくして、何かが…温かい液体が入ってきて…
階段で泣き叫ぶ私をよそに、父は何事も無かったかのように去っていった。
誰かに見られたら、父から殴られるって思った…
その恐れから、涙も何も意味がない…隠そうって、するようになった。
忘れようと思ってた…忘れたかった…
それでも、当時の私にはその行動の意味ですらもわからなかった……
それが逆に――薄っすらとでも残され続ける発端となった。
新婚旅行でのあの時…飛び起きた時に見た悪夢は……←1227ページ参照
あれだけじゃない…それも、だったんだ……
男性も……人間も……
その全てが…自分という存在を認めはしない。
感情も…人格も…何も、かもを……
なら…殺すしかないだろ…私自身を……消すしかない…
それで感情を刃にしてぶつけられたり
される気持ち知ってるから…やりたくないから……
その前に…自分を殺すしか、ないんだ…
……ないんだ」ぼろぼろ号泣&俯く←リアル実話