第58章 堕天
フィン「君を守りたいから…
大切な居場所を、その幸せごと…守り抜きたいから……
その為の手段として結婚した。
そりゃあ…誰にも渡したくない、という想いもあるよ…
けれど…それ以上に、喪いたくない。
(両親を)喪ったからこそ、余計に…
そこにあることが、
…それだけで、何よりも幸せだと感じる。
掛け替えのない…欠かせない…何をもってしてでも欠かしたくはない」
すっ←右手をケイトの頭の後ろへ回し
ぎゅうっ←左手をケイトの背に回し、両腕の中に閉じ込めながら強く抱き締める
フィン「そう想っている…心から。
どんなに腹に据えかねることだろうが…何だろうが……
喪うこと以上に堪えられないことは、この世にはない。
大切であればあるほど…支えであればあるほど…
心が悲鳴を上げる。
君が言ったように…穴となるんだ、二度と塞がらない…発狂しそうなほどに大きな穴が」←2210ページ参照
ケイト「わかるよ…
私も…喪いたくない…」ぎゅうっ←フィンの背に両腕を回し、強く抱き締める
フィン「だから…君は殺さないし、傷付けない。
そういう鉄則を、魂にまで自ら刻んでいる。
どれほど望もうと、感情が心が叫び暴走しようと…決してそうはさせない。
君の――魂が」
ケイト「うん…
それまでの、喪った想いも…全部あるから。
一時だけの感情よりも…何よりも強いよ」
フィン「ああ…
それ以上のもの、始祖神の闇だとしても同様に止めれていた。
それも自力でね…
そのことからも…十分、軽くはないし…
何億年ものそれをも遥かに凌駕するほどに重く、強いこともわかるよ。
だから…」
ケイト「うん」
フィン&ケイト『惚れたんだ――君&フィンに』
名前以外の声が被さる…
想いも全て、通じ合っていた……
フィン「僕も、そう在りたいし…そう在ろうと想っている。
君のように…胸を張れる存在に」
ケイト「どこら辺が胸を張れるの?;」戸惑い&顔を覗く
フィン「…そういう自覚が無い所だけは変わってないようだけれど^^;」
ケイト「えっと…どこがいいの?;」怪訝&眉顰め
フィン「……全部だよ」瞑目&微笑
ケイト「???;」首傾げ
フィン「…わからないままでいいさ…
いい所なんて…語り尽くせないぐらい、多いからね^^//」恍惚笑み