第58章 堕天
闇『だとしたら…私はどうすればいい?
……私は――消えるしか無いのか?』
消え入りそうな声で呟かれたそれに…悲しげな声に、ケイトは俯いた。
闇『消される為に産まれたとでも言うのか!!?』
ケイト「……そんなことはない」
闇『!!』
ケイト「…浄化することが、正しいことだと思ってた。
そうすれば…闇のままに暴れて殺される人も減るって…
何より…
始祖神の闇のように、本来なら傷付けたくないものだと…
浄化されたいものだとばかり、思い込んでいた……
でも…肝心のお前の気持ちを聞いてなかった。
決め付けるばかりか、蔑ろにしてた」
闇『…だとしたら…どうする?
生を望むとして…どうするつもりだ――?』
ケイト「すっ)…←顔を上げ闇を見据える
私の中に取り込む」真剣&きっぱり
『!!!!??』
闇『…――正気か?』←声が震えている
ケイト「お前に居場所が無いなら、私がなればいい。
容易じゃないことはわかってるし、暴走だってする時もあるだろう。
でも…次も、止めてくれる。
皆が…私の魂が、それを止めてくれる。
私が――お前を人殺しにも、傷付ける存在にもさせない!!
私が…お前を受け入れるよ。
だから…死ぬなんて軽く言うな。
始祖神の闇を浄化した私に、言う資格なんてないのかもしれないけどさ…」
フィン「…ケイト…だが
ケイト「わかってる」
フィン「…はあ…聞かないか;」
ケイト「聞かない。決めた。
私なら、是が非でも殺さないし傷付けない。
そもそも、られない。
ここしか無いんだ…
お前が、お前らしくいられる上に…
敵に回らないで、消されないで、共存し合える居場所は」
闇『お情けのつもりか――?』
ケイト「…そうかもしれない」
闇『そんなもの誰が!!』
ケイト「押し売りだってのは…ちゃんとわかってる。
それでも…居て欲しいんだ。
消えたくないのなら、ここに…←自身の胸を、左手の親指で差す
生きていて欲しい。
自分から生を投げ出すんじゃねえよ。
闇も、怒りも、何もかも背負え…!
全部ぶつけてきてもいいから、何度だって受け止めるから!!
生きろ――!!!」
今、ケイトを突き動かしているのは…信念だ。
前世から、前々世から…
何をされようと変わらず貫いてきた個だ――