第58章 堕天
ケイトが言うには…神の力同士を組み合わせ、行為をせずに生み出すつもりらしい。
それで生み出された子供は全て、神という種族となる。
つまりを言うと…行為に関しては僕以外とする気は毛頭としてないらしい。
ケイト「本当にやりたい人とだけやる。
それに、さ…」
フィン「?」
ケイト「お前以外との行為に、何の意味があるんだ?」
フィン「………」
だきぃっ!!!!!!!
テロップ(フィアナ)『フィンはケイトを腕の中へ閉じ込めた!!』
『惚れてまうやろおおおお!!!!』といった言葉と感情が僕を支配していた。
早い話…ケイトが聡明であることには違いはなさそうだ……
何故かと言うと…
各種族に子孫を作ってしまえば、その種族間同士の諍いや争いの種になり兼ねない。
例で言うと、他種族との間に子ができてパルゥムでない方になっていってしまえば
神の力もそれらに分かたれてしまい、どれが本当の自分の子孫かもわからなくなってしまう。
半身たるそれが、様々な種族、様々な土地、それらへばらけてしまう可能性が高い上に、分岐も多岐にわたるばかりか人数も増え過ぎてしまう。
終いには継承者争いとなる可能性が極めて高い。
それらも踏まえた上で、遺伝子に刻み込んだのだろう…
各世代において、1人だけと。
例え分家や本家と呼び方が変わろうとも、十字架を受け継いだ者からしか生まれない。
十字架を受け継いだ者しか、本家たり得ない。
それでも分家が本家を貶め、『王位をゆくゆくは手にしよう』『王位を誰かに譲って益を貪ろう』と考えたことにより、ケイトは死に掛けることとなったわけだが…
精霊であるノアールによる精霊寵愛が、それ(ケイトの死)を許さなかった。
たった2つの家系に分かたれていてこれなのだ…
もし多く分化されてしまえば、そういったことが激化すると共に大規模と化すのは目に見えている。
それらも鑑みてなのだろう――
よってパルゥムとしか子を為せず、十字架に選ばれた者からしか十字架に選ばれた子が生まれず、遺伝子へ未来永劫解けないようかけたのだろう…←2180ページ参照
十字架、すなわち力を受け継ぐ者は悪用しない、他を思い遣れる聖人のみであるようにも…←2178ページ参照
後に…精霊王がまた、ケイトへ新たに守(しゅ)をかけた……