第8章 死闘と目覚め
爆発と共に壊された壁の破片全てが大剣へとぶつかり、容易く正面へ引き戻せないような位置へと強引に吹き飛ばす。
オッタル「面白い!」にっ
底冷えするような声が響く中、オッタルの腹部へ向けて龍の形を成した「白い光」を纏った『二本の短剣の峰打ちと両拳』が炸裂する。
しかしオッタルは大剣を強引に引き戻し、鍾乳洞特有のつららを足場にして脳天へ向けて振り下ろしていた。
吹き飛ばすのが先か、振り下ろされるのが先かの勝負だった。
ケイト&オッタル『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』
どごおおおおおおお!!!!!!!
凄まじい地響きと共に、全てを懸けた私の一撃が壁までにめり込み、大爆発を引き起こした。
しかし私は龍の形をした魔力が身を纏って護ってくれたからか、回復もまた同時にしてくれているからか、一切の反動も無く
オッタルに全力で大剣を脳天に向けて振り下ろされたことによる衝撃も、それに伴うダメージも全て皆無だった。
動かなくなったオッタルに目を向けると、彼は目を開けたまま仰向けに横たわっており…
気付けば龍は魔力となって、体内へ戻っていた。
ケイト「あ、あのー…;」
オッタル「……動けん」
ケイト「…;」
オッタル「なかなかの一撃だった。
最初の内に捻じ伏せればそれで終わりだったというのに…それを許せなかった。
…が、面白いものを見れた(にや)
強くなっていくお前を見ている内、胸の奥の高鳴りを止められなかった。
この熱を呼び起こし、俺に期待を向けさせたのはお前自身だ。
俺が勝てなかったのは、その限界という殻を破ったお前だった。
勝てず、連れ去れなかったこの不覚、呪うぞ」
ケイト「呪っちゃダメでしょ」きっぱり
オッタル「?」
ケイト「また、いつでも戦えるんだから。
今日みたいに強引に連れ去ろうとするんじゃなくって、フレイヤ・ファミリアへの『客人』として行かせてよ。
その時には、また手合わせしてね。
限界を超える為の壁になってくれてありがとう、オッタルさん^^」
顔を合わせながら、目を合わせながら、真っ直ぐに向かい合って言い放った。