第8章 死闘と目覚め
全身が脈動しているように感じる。
脈打つ魔力と共に、全身もまた同時に脈動している。
地面から足が離れていて、暴風を巻き起こしつつ吸収し続け、魔力を介して浮いているようにも感じる。
ケイト(この力は、制御できる可能性が極めて低い。
自分の意思ではない何かがある。
その意思がわからないのなら、扱える可能性は極めて低い)
『大丈夫』
ケイト「え?」
『護るよ』じっ
そう考えた瞬間に聞こえた声は…『龍』の声だった。
何故かと言うと、その頭に響く言葉と共に目を見つめてこられたから…
ケイト(精霊じゃないの?)
『違う。彼女は君の身体の細胞一つ一つに宿ってる。
前に見せたのは、魔力を通して形を作っただけ』
ケイト(そっか…なら、君は一体?)
『ずっと見てた、遺伝子の中から』
ケイト(龍神?)
『これは君の意思。生まれたからこそ目覚めた。
押さえ込んでいた心をも超える意思』
意思が直接、頭に声として伝わってくる。
危害を加える気がないことが、すぐにわかった。
ケイト「オッタル…これほどの凄まじさだ。
制御し切れるか、わからない。
退く気は
オッタル「毛頭としてない!!」
ケイト「だよね;」溜息&苦笑
逆に面白くなってきたと戦いに臨む気満々のオッタルに、私は全力で赴くことにした。
ケイト「一撃だけじゃないけど、いい?」
オッタル「当然だ。その全てを捻じ伏せてみせよう!!」にや
それでも退かない意思を述べられた後、剣を構えて「来い」と言われた。
その挑発を受けた瞬間、全身のそれの大部分が剣先へと集まり、球状に凝縮されてレーザーのように撃ち放たれた。
その間に私は走る、オッタルのもとへ。
それはオッタルの横を通り過ぎた瞬間に半分はオッタルを背後から襲い、当のオッタルは背後も向かずに大剣を背に動かして防いだ。
が、その咄嗟に防いだ瞬間にもう半分は直線のまま壁へ着弾、爆発と共に凄まじい風を巻き起こして彼を空中へ、私の目前へと飛ばす。