第57章 追憶
フィン「何に嫌悪感を抱き、何を感じ
何までなら許せ、何になるまいとし、どのような理想を抱くのか…
生きていく上で「自分」という個を見つけ、理解し、人生を歩む上でうまく付き合っていく。
どちらにせよ、己の価値観や理想を無理には押し付けないこと。
と言っても…話が通じない輩など無数にいる。
強引に押し付け押し切れば罷り通ると思い込んでいる輩も、それこそ引っ切り無しに…
それよりはまだマシだと考えようじゃないか^^;
……?」
先程から俯いたまま押し黙るケイトに、僕は顔を覗き込みながら問い掛けた。
フィン「ケイト?」
ケイト「成長…できてる?」不安気&顔を上げる
フィン「…(目を丸くする)
…ああ(ふっ)←優し気な眼差しと笑みを向ける
君は…十分、成長できているよ^^
他と比べるのも、失礼に値するぐらいにね」なでなで←頭撫でる
ケイト「…(うるっ)
あんなに…成長とか、色々考えてくれてたんだね」
フィン「ん?
…それは…まあ……
最近は甘やかしている気もしないでもないけれど…
それ以上に、君は人へばかり気を使うから^^;
徐々にできる範囲を拡げていければ、それでいいと思うよ。
ちゃんと見ているから//」微笑←言ってて恥ずかしくなった
がばっ!!←飛び掛かる
フィン「!!」瞠目
どさっ!!←地面を背に押し倒す
ペロペロペロペロペロペロ
フィン「はははっ!やめてくれ!くすぐったいっ!^^」じたばた
ペロペロ
両足をばたつかせてもなお、覆い被さってきたケイトが離れることは無く、狼の歓迎と同じように只管舐めてきた。←1479ページ参照
それも頬や口元だけを集中して。
狼にとっては親愛の証。
ケイトにとっては…この人になら何をされてもいい、そう思う人にだけしている。
そしてそれをする相手は――今も昔も僕だけだった(精霊王にもしなかった)
ケイト「好き…大好き…愛してる//」恍惚笑み
ぴとっ
目を潤ませ、心地良さそうにすり寄り、引っ付いたまま動かなくなる。
幸せそうに笑みを浮かべる彼女に、僕も笑いかけた。
頭を撫で、腕の中へ閉じ込めるように抱き締め、左頬を彼女の左頬へ擦り寄せた。
互いにそうしたままで居続ける中、アルとディも頬を擦り寄せてきた。
フィン「……今日も平和だね――^^」ふっ