第57章 追憶
2重ドーナツの形をした3つのエリアに分かれており、精霊神による結界で守られている土地。
精霊の森が一番外側、精霊王の森が精霊神の森と精霊の森の間、精霊神の森が一番中央にある。
精霊王の半身であるからこそ、ケイトは入れた。
だが―――僕は?
僕は――…ケイトがいなければ、元から関わることさえ赦されなかった存在だ
ケイト「…(瞠目)
…(ふっ)
そんなもので穢される程やわじゃねえだろ」にや
精霊王「まったくじゃ」嘆息
フィン「……だが…」
精霊王「嫉妬か?」
フィン「違う…」
ケイト「あのさ…自信を持て」
フィン「?」
ケイト「お前は、選ばれたんだ。
この森に、入っていい存在だと。
そりゃ私からの諭しもあったかもしれない。
それでも…お前は、ここにいる者達に、精霊達に、守り人の動物達に…皆に受け入れられてここにいる。
もう…わかってるだろ?
とっくに…ここの歴史には、唯一の存在として刻み込まれてるんだよ^^」
フィン「……っ(涙目)
」ふいっ
不意に、涙が溢れた…
ケイト「全ての守り人、動物にも人扱いしてきちんと挨拶しただろ?
対話しただろ?←1475~1480ページ参照
歓迎に対しても、ちゃんと流儀に合わせた。
ちゃんと…目線を合わせて、真摯に向かい合ったんだ。
本気で私を想ってくれているそれも、きちんと動物達は並みならぬ感受性で読み取ってたよ。
精霊王のじっちゃんが半身以外で精霊王の森へ足を踏み入れさせたのは…お前だけが初めてなんだ←1242ページ参照
だからさ…自信もって、ここに居ろよ^^
お前は…もう、ここの一員だ。
家族なんだよ、ここにいる皆の。皆に認められた時点で、とっくにさ」微笑
フィン「っ」ぼろぼろ
その時…精霊王の森に宿る神聖な気が僕を優しく包み、受け入れてくれているのを感じた。
ケイトもまた、内包されているのが…やっと見えた。
ケイト「そもそもが認めてなかったら、害意があったら入れないだろ?
それぐらい強力になったんだし。
だから…堂々としてろよ。
私の認めた、世界で一番の人なんだからさ」真剣&微笑
えっへん!
そう胸を張り、自信満々とばかりに満面の笑みを浮かべて笑いかけてくれた。
勿論――涙腺も僕の中の理性も切れて襲い掛かった