第8章 死闘と目覚め
動きには慣れた。フェイントにもついていける。
今の時点で超えられないのなら、もっともっと…もっと!!
今ここで、その高みをさらに超える以外にない!!!
今現時点で誰にも負けていないもの!それは『魔力』だ!!
あいつを超えるには、もっと…高密度にしなければいけない!
体内に凝縮して全力を超える全力をも引き出してもなお勝つまでには至らなかった、足りなかった…引き分け程度にしか!!
なら…回復させながら高めていくしかない。
制御できる範囲じゃダメだ!制御できる密度でもダメだ!!
高めて、高めて!高め続けて!!
押さえて制御できる限界をも超えて、高め続けろ!!!
私に残された選択肢は二つだけ!
勝って帰るか、負けて連れ去られるか!!
だとしたら…勝って、帰る以外にあるかあっ!!!
ケイト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
魔力の限界を超えろ!!!
ピッ
押さえる力をも超えてみせろ!!!
ピシッ
魔力が足りないのなら、一切合切全てを魔力として高めればいい!!!
ビシッ!
魔操作のせいか、クリエイトのせいか、強く想った意思が故か
周囲の一切合切全てを、迷宮の壁ごと『自身の魔力』として吸収しつつあった。
ビシシシ…パリィン!!
その瞬間、何かが割れる音がした。
魔力の分散を押さえる外殻(外側)が割れると共に、自らに対する鼓舞に呼応するかのように
全身を覆う『白く光る魔力』が細長い『龍』の形を取って息衝くように変化した。
それは生きているかのように脈動し、私の意思にかかわらず自由に動き、
鼓動しているかのように光の強弱で存在を高らかに示し…
静かに……私に寄り添っていた。
そこには、自分とは違う『意思』があった。
オッタル「!殻を
フレイヤ「破った!
ふふっ//
…ふっふっふっふっ!
ああっ!なんてことっ!//
彼女の中の、『龍』が目覚めた!!//」←画面に食い入るように見ている
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
風を巻き起こしながら、それさえも魔力として食らいながらなおも高まっていくそれに、私はあることを感じていた。
今までのホワイト・ノヴァとは明らかに、遥かに違う!!
全身の痛みが一瞬で消えた…
まるで、それまでにあった全身の激痛が嘘みたいに!