第57章 追憶
精霊王――それとは、精霊の王。
その冠名は、代々『アルルェーチェ』と定められていた。
私が今から5000年ほど前に王位を受け継ぐ際、世界が生まれた時から…
精霊と呼ばれる存在が現れた時から、王たるそれがそう呼ばれていた。
だからこそ…精霊は実しやかに囁いていた。
ヘレイオスのことを――勇者アルルェーチェと←293ページ参照
人間でありながら、高潔な存在だと信じられた証でもあった…
ただでさえゼウスの孫で、クォーターなのだ。
そんな彼からすれば、些細な問題なのだろう………
精霊王の半身となることは…普通の人間としては生きられないことだとしても……
ヘレイオス「たとえそうだとして…俺は俺だ。
何になろうが、どんなものに姿形を変えられようが…俺という形だけは、頑として変わらない。
そういうものだろう?」にや
精霊王「……」瞠目
力を使いたがらないそれに、居ても立ってもいられず…
ヘレイオス「…だからいいってのに;」眉に皺を寄せる
精霊王「いいから受け取っておけ。
今後…お前を守ってくれるはずだ」
ヘレイオス「そうか…
なら、所帯に渡す」
精霊王「何?!・・」
ヘレイオス「今や…俺とお前には同じ血が流れている。
それを受け継いだんだ。
ただでさえ外の穢れた空気とは合わないだろ?
守ってやる存在が無いとな…」微笑&ぎゅっ
精霊王「…それで魔力の結界を刻み込んでいるのか;←1044,1382ページ参照
何をやっているかと思えば;
はああっ;」額に手を当て&嘆息←肩を落とす
ヘレイオス「ん?
いい手だと思ったんだけれど…おかしいか?」眉顰め
精霊王「…いいや……実に…お前らしいわい^^」ふっ
ヘレイオス「お!…」瞠目
精霊王「な、なんじゃ!;そんなにまじまじと見おって;」
ヘレイオス「…お前…そういう顔もできるんだな…
そっちの方がお前らしくていいぜ^^」にかっ
テロップ『東地宏樹の演じる1999年版ハンターハンターのジンのような声だ』
そうやって、ヘレイオスはいつもわしの所へたまに来ては酒を飲んでそう言ってきた。