第57章 追憶
ケイト「魔石と植物の融合によるモンスター召喚。
その怪物(モンスター)が精霊を取り込み、穢れた精霊となる。
最初の段階…
腐食するそれを持ったのは、武装対策。
魔石を集める為の駒。
そして食人花もまた魔石を集める。
最初の親玉ができてから、話は始まっていたんだよ」
フィン「オラリオの破壊を望む動機とは一体…」ぼそ
ケイト「簡単だろ…?
一度全て無に還した方がいい。
それだけだ。
その為に、闇派閥を使い捨てにしようとしていた。
単なる道具なんだよ。
壊れたとしても相手に傷さえ与えられればそれでいい、そういう認識を取っていた」
フィン「肝心の、無に還そうとする理由は…?」
ケイト「さっきも言ったように…現実を見ろよ(真剣&猊視)
まともな奴なんて、この世にどれだけいる?
どれほど少ない?
力を持った途端、持たない輩に振りかざす腐った奴。
虎の威を借りて増長してもっとよこせと野党崩れに、果てには強盗まで出る始末…
一度全て、壊した方がいい――
そう考えるのも頷ける。
私も通った道だ…
糞しかいない、助けようともしない輩しかいない―そんな世界など、一度壊れてしまえばいい。
でも…そうじゃない人間ごとまとめてやっていいとは思えない。
奪われたから、汚されたから、それでやってきていない人間ごと殺したところでなんになる?
残るのは――もうわかってるだろ?
空虚――虚しさ(空しさ)だけだ」
フィン「それが走った理由…か。
暴挙に走る輩は、今に始まったことではないけれど」嘆息&瞑目
ケイト「ああ、そうだよ。
でもあいつは…許せなかったんだろうな
何より…自ら(デメテル)を守ろうとする眷属(子供)が、心ない輩に力でねじ伏せられ殺されたことを」
フィン「!」瞠目
ケイト「役割が違うが故に持たない力。
迷宮を潜るのでもなく、田畑を開いて豊穣の為に頑張り続ける。
それでも、どうあってもそれはなくならない。
力がある限り、人がある限り、決してなくならない。
力がないことを下に見て、足元を見る輩は決していなくならない。
あいつが闇を抱くのも、ああなる(エニュオとなる)のも…よくわかる」