第57章 追憶
結局の所…承認する以外、無くなってしまった……;
兎にも角にも…天を駆けていると錯覚するほどの速度を誇るバス。
それと同じ速度で事故も無く、道路の端を走るバスとバスの間の中央道路で
バス停という障害も無く颯爽と滑走し続け、白い残像のみを残すばかりであった。
それは、傍から見れば弾丸とも形容できるもので…
その為…口々に、こう呼ばれた。
『銀の弾丸』と――
後にシルバーと呼ばれる小型のそれは
まるで部屋のように立ち上がったり走り回れるという光景。
実際に使用した際の使い心地、等々をCMで流し…
その結果、数え切れないほどの人が求めたという。
外までは神石のエネルギーが届かない為、魔石を使用しての魔道具として広まった。
しかし魔石ではあの速度は数分とも維持できない為、速度がかなり抑えられ、機関車や魔導列車の速度(時速180km)の半分程となった。
特に人気だったのがヘルメス・ファミリアのような運搬系の相手にであり…
アスフィがいるからという理由で、性能はそのままで使えるようにケイトが改造していた。
その代わり、改造の仕方や改造したそれの存在を内密にすることを条件としたそうだ。
馬よりも速く走れる人達…それが冒険者、Lv.3――
ケイト「…でも何で爆太郎はあれだけ早かったんだろう?;
それも…Lv.6並に;」
フィン「単純に、野生のものの中でも精霊の加護を得ていた可能性もある。
どこかの誰かが与えていそうなものだけれどね…」じと目
ケイト「?何で私の胸…ああ、なるほど;(十字架か」
アスフィ「?」
フレイヤ「…精霊王ね」
十字架を通して見ていたというし、可能性は極めて高いだろう←1037~1042ページ参照
精霊王へすぐ問い質してみた所、案の定そうなるよう加護を与えていたとのことだ。
ゆくゆくはケイトの助けになると踏んでのことだったらしい。
一つの謎が明らかになった後…ついに僕達は、やっと目的へと動き出した。
フィン「さあ!ケイトの服を買うぞ!」
ケイト「いじめええええええええええええ!!!;;」
首根っこを掴んでずるずると引きずる中、アルとディが起きて泣きじゃくり
その面倒を見ることを迷わず任せて、アスフィが薦めていた店へと駆けていった。
絶対に逃がす間も与えはしない!