第56章 プール大会
フィン「そんなことをアルやディが望むと思うかい?」
ケイト「ううん」ふるふる
俯いたまま…涙を静かに流すケイトに、僕は嘆息を零しながら呟いた。
フィン「……知ってたよ」
ケイト「!!え?!」ばっ!
フィン「巻き込まれることも、何かしら起こるだろうことも…
それでも…僕は君と結ばれることを選んだ。
それごと、愛してしまったから。
いや…それ以上に、人の幸せを何よりも念頭に置いてしまう君だから…
それほどに、思考を人の為に回そうと頑張れる君だから…
だから…なんだよ。
君の不幸も、降りかかるだろう問題も、それごと愛して…幸せにしたいと欲したのは」微笑&なで
頬に手を当て、未だ止めどなく落ちる彼女の涙を拭いながら僕は微笑みかけた。
ケイト「っ;
(ぎりっ)
馬鹿だよ…本当に;
それで世界の危機に巻き込まれてたら、世話ないじゃん;」
フィン「それでも…君が、何とかしてくれただろう?
君が危ない時、是が非でも駆け付けた。
力になろうとした…それに君は応えてくれた。
僕達を守ろうと、消させまいと、全力で事に当たって…乗り越えた。
信じてたよ。君なら――絶対にできると。
黙ってやられるのも性には合わないだろうしね、本当の君は^^」くすり
ケイト「…うん…」
フィン「だから……」
ケイト「わかってる…
(自分が死ぬことを、望んでないことぐらい)
わかってる!
(フィンが心から生きて欲しいと願っていることも)
わかってるんだよ…全部、ちゃんと!;
でも…それでも…考えずにはいられないんだ……
また…同じことになったらって……
またそんなことになったら、自分さえいなければって(ひっく&ぼろぼろ)
せっかく…せっかく…ここまで大きくなったのに、これからも、ずっと続くって…
もっと一緒にいられるって…おもって…たのにっ
それでも同じになったら絶対後悔する!
その為に育てたんじゃないって、そんな思いをさせて平気でいられる奴にする為に愛したんじゃないって!
人を殺して平気でいられる奴なんて、人間じゃない!悪魔だ!!
人を人とも思わない…そんな奴等になり下がったら…一生、後悔する。
お父さんとお母さんの子だって言えない。シルキーの姉だって言えないっ
死んだ後で…胸を張って会えないっ!
そっちの方が苦しい!」