第8章 死闘と目覚め
オッタル「殻を破ってみせろ。Lv.7を超え、到達してみせろ。
できなければ、強引にでも引き込む。
後はもうない。前だけを見据えろ。勝つか負けるか、その二つだけだ。
帰りたければ超えてみろ!
恐怖を捻じ伏せ、俺に勝ってみせろ!!」
大剣を振り回す動きを止め、その叫びは確かに…心に響いた。
何を…考えていたんだ、自分は!!
どんっ!!(震える左足を左拳で剣を持ったまま柄で叩く)
勝てない?
まだ行動に示してないだろう!!
怖い?
それ以上の恐怖に直面したことがあるだろう!!
今の居場所を、失いたくない!!!
オッタル「ぬおおおおおおおおお!!」
ケイト「うあああああああああ!!」
オッタル(打って出るか!その心意気やよし!)
がきぃがっ!!!!!!
オッタル「む…小癪な真似を」ぎりぎり
ケイト「死角からでも気付くか、やっぱり…」
右短剣で受け止めながら上へ跳ね上げつつ、さらに下から懐に潜りながら左短剣の峰打ちを試みた。
が、大剣の刃は押さえれていても、押さえれていない柄に阻まれた。
猛者の名は伊達じゃない。
それでも…
まだだ…まだ、終われない!
詠唱だ!詠唱込みならば威力は倍増していた!!
並行詠唱になってもいい、回避しながらでも完成させてみせる!!!
かっ!!(魔法円展開)
ケイト「【我が魔力よ、大気中に散在する魔力よ。我が力の糧となりて存在を示せ。
オッタル「ようやくその気になったか。
待ってやる。お前の力の全てを見せてみろ!」
『フレイヤ…?
美の神様!?写真で見たことあるよ!美しいよね!//』キラキラ
そう無邪気に話していた自分を殴りたくなる。
恐怖に飲み込まれて怯えきって動きを鈍らせた自分に腹が立つ。
今ここで超えなきゃいつ超えるんだ?
高い壁を前に恐怖を抱くくらいなら、最初から登るな!!
それごと超えろ!今ここで超えろ!今ここで自分の限界を超えろ!!殻を破れ!!!
そうでなきゃ!!
そうでなきゃ!せっかく手にいれた日常が、また変わることになる!戻れなくなる!!
勇気を振り絞れ!力を振り絞れ!!
全てを振り絞って、この戦いに懸けろ!!!