第56章 プール大会
余談
・ディオニュソスについて
フィルヴィス「その…」
ケイト「ん?どしたの?」
フィルヴィス「ディオニュソス様のこと…感謝する」
ケイト「へ?」
フィルヴィス「……
ディオニュソス様が神エニュオからかけられていた洗脳、それを解いてくれたことだ。
それが無ければ…きっと死んでいただろう。
私も、ディオニュソス様も…天界へ召されていたはずだ」
事実、タナトスとディオニュソスは神エニュオから洗脳を掛けられており
神エニュオにとっていいように、思い通りに動くよう謀られていたそうだ。
終いには使い潰すと共に殺すつもりでいたことがようやく眷属に知らされたらしい。
だがタナトスはイケロスと共に、ケイトの手によって倒され←735ページ参照
モンスターに食われて穢れた精霊となったブランシェが←1068ページ参照
ダンジョンの深層でオラリオの破壊を望む神エニュオを、レヴィスやエインという怪人ごと皆纏めて食べた。←2062ページ参照
ケイト「えっと…それは結果的にそうなっただけで…;
というか、エニュオじゃなくて他の神を正体もわからないまま神の力で強引に捕まえたわけだし。
最終的には天界に送還されてたし。
そもそもが…エニュオも、お前達の仇を取ったのは私じゃなくてブランシェだし…;」
フィルヴィス「…それでも…受け取って欲しい。
お前がいてくれたから…私達の命はここにある。
心から感謝しているんだ//」ぎゅっ
両手を取って握り締めてくるフィルヴィスに…ケイトはようやく頷いた。
プールサイドの人気のない場所、そこでは楽しそうな笑い声が響いており…
嬉しそうに涙を浮かべながら微笑む彼女に、ケイトもようやく笑みを浮かべた。
テロップ『ちなみに、このケイトは分身である』
それが起こったタイミングは第153戦目。
本体の僕とアルテミスが激戦を繰り広げていた頃だった。
ケイト「もう帰ろうよ~;」ぶうぶう←本体
フィン&アルテミス『まだまだぁっ!!!
結婚を否定させるまでは帰れない!!&結婚するまでは帰れん!!!』
ケイト「…(がくぅ)←肩を落とす
はああっ;」瞑目
異口同音に叫ぶ僕達に…ケイトは何度目かの嘆息を零した。
日が傾いてきた頃合い、夕暮れよりも1時間ほど前のことである。